今回は国内外のタンナーを紹介していきます。
革について詳しい人も、そうでない人もぜひ最後までご覧ください。
タンナーとはなにか
タンナーとは皮革メーカー、つまり革の鞣し業者のことを言います。
そんなタンナーは世界各地に存在しており、国内では栃木県や兵庫県、和歌山県といった地域に集中しています。
タンナーによって専門とする分野に多少の違いこそありますが、鞣しと呼ばれる“皮を革にする工程”をすべて同じタンナー内で行っているところがほとんどです。
世界のタンナーをご紹介
世界中には有名なタンナーがいくつか存在します。
ここからは日本が世界に誇るタンナーと、イタリア、イギリス、アメリカなどの欧米の代表的なタンナーをご紹介していきます。
日本のタンナー
日本の皮革産業が盛んな地域には栃木県と兵庫県があります。
特に兵庫県姫路市の高木地区には、全国の約30%に当たる80社以上のタンナーが集中しています。
栃木レザー株式会社
1937年創業という長い歴史を持つ皮革製造の専門工場です。
世界のタンナーにも引けを取らないほどに有名なタンナーで、よく耳にする「栃木レザー」はこの会社の革を指します。
栃木県の革が有名なのも、この会社による努力があってこそかもしれません。
新喜皮革
皮革産業のメッカである兵庫県姫路市に拠点を置くタンナー。
コードバンや馬革の高級部位であるホースハイドの鞣しから仕上げまでを一貫して生産している、世界的にも希少なタンナーです。
日本最大のタンナーの集積地である姫路市内のタンナーの中でも、独自の価値で世界に評価され、これまで数々の賞を受賞されています。
海外のタンナー
フランスのタンナー
デギャーマン社
フランス最古のタンナー。
ハイブランドの製品にも使われるような高級革を生産しており、特に型押しされたドーフィンレザーは有名です。
イタリアのタンナー
革の聖地とも言えるほど数多くのタンナーがひしめき合うイタリア。
ファッション産業が大きいことや、遡るとルネサンス時代の影響もあり、特にトスカーナ州を中心にタンナーが集中しています。
また、古くから伝わる植物タンニン鞣しの分野においては、世界レベルの有名なタンナーがいくつか存在します。
バダラッシ・カルロ社
イタリアのフィレンツェでプエブロレザーやミネルバレザーを生み出した、イタリアンレザーを牽引する有名タンナー。
手間がかかりすぎるという理由によりこの世から消えようとしていた、トスカーナ州に伝わる伝統製法「バケッタ製法」を蘇らせました。
植物タンニン鞣しにこだわり、まるで芸術品のような革は世界で人気となっています。
ワルピエ社
世界で圧倒的な知名度を誇る、ブッテーロレザーを生み出したタンナー。
高い染色技術を生かした、高品質な革づくりを行っています。
ブレターニャ社
小さな村で丁寧な革づくりを行うブレターニャ社。
フランスの高品質な原皮を使うことで知られ、他タンナーにはない個性的な革が人気です。
M.P.G社
ピサの斜塔で有名なピサ県にあるタンナー。
皮革産業に従事していた父を持つダリオ氏が、友人2人を誘って作り上げたタンナーです。
鞣しに欠かせないタンニンの質にもこだわった、丁寧な革づくりを行っています。
オペラ社
起毛素材の生産を得意とするタンナー。
2010年創業の新興タンナーで、革靴用の革の生産も手掛けています。
イギリスのタンナー
イギリスはブライドルレザー発祥の地として有名で、英国紳士にふさわしい重厚な革づくりを得意としている国です。。
約1000年以上前から続く伝統製法が現在でも頑丈な革を加工する基礎になっています。
セジュウィック社
バーミンガム近郊で1906年に創業したセジュウィック社。
ブライドルレザーを生み出したタンナーで有名となり、創業時から馬具用の革を作り続けています。
アメリカのタンナー
アメリカの革と言えば、コードバンといわれるほど馬革の生産が盛んなアメリカ。
意外と知られていませんが、アメリカには世界的に有名なタンナーいくつか存在します。
ホーウィン社
アメリカ合衆国・シカゴ州で1905年に創業された老舗のタンナー。
コードバンと言えばホーウィン社と言うほどよく知られた会社です。
まとめ
いかがでしょうか?
タンナーは革製品を作るうえで、無くてはならない存在であり、そこに従事する方々は、sot(ソット)にとってとても重要な人達でもあります。
このコラムを読んで、世界にはさまざまな特徴と歴史を持つタンナーがたくさん存在していることがお分かりいただけたかと思います。
ぜひ革製品をご覧になる際には、その革の生産地を調べてみてはいかがでしょうか?