世界には数多くの革を生産する「タンナー」が存在します。
今回は、イタリアはトスカーナ州フィレンツェに拠点を置く「バダラッシカルロ社(badalassi carlo)」をご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
バダラッシカルロ社について
バダラッシカルロ社は、社名にもなっているバダラッシ・カルロ氏によって、1967年にイタリアのフィレンツェで創業したタンナーです。
手間がかかるという理由で衰退しかかっていたバケッタ製法を蘇らせたことで一躍有名となり、現在ではイタリアを代表するほどの有名なタンナーとなりました。
植物タンニン鞣し(ベジタブルタンニン鞣し)を専門とし、創業以来上質な革を提供し続けています。
バケッタ製法にこだわって
バケッタ製法は、植物性タンニンをじっくり時間をかけて染み込ませながら革を鞣す、イタリアの伝統的な鞣し製法の一つです。
この製法には高い技術と長い時間、そして労力がかかることから、イタリアでは時代とともに衰退しつつありました。
それを見事に蘇らせたのがバダラッシカルロ社。
バゲッタ製法の細かな製法は公になってはいませんが、その伝統はトスカーナ地方のタンナーの中で細々と受け継がれています。
感性に基づいた革づくり
バダラッシカルロ社では、革を単なる製品として扱うことはせず、すべての革にストーリーが存在します。
現代表であるシモーネ・レミ氏の革づくりには、美術絵画や歴史などから得た“インスピレーション”を反映されています。
バダラッシカルロ社の革を使った製品シリーズをご紹介
プエブロレザー
毛羽が立っており、和紙のような肌触りが特徴の革のプエブロレザー。
独特の表情を持つこの革を使った財布や鞄、革靴は圧倒的な存在感を示します。
バケッタ製法によって丁寧にオイルを使って鞣されているため、個性ある表情の違いと、素晴らしいエイジングをお楽しみいただけます。
sot(ソット)でも一番人気のシリーズです。
名前の由来はスペイン語で「人々」。
また、インディアンの集落を意味もあります。
ミネルバボックスレザー
シュリンク加工により自然素材の風味豊かなシボがあることが特徴の革です。
中性的でカジュアルなイメージを与えるミネルバボックスレザーは男女問わず人気をいただいています。
シボの大小などには個体差もあり、プエブロレザー同様に表情の違いを見比べるのも楽しい革となっています。
名前の由来はギリシャ神話に登場する神「アテネ」のイタリア語。
まとめ
いかがでしたか?
今回はイタリアを代表するタンナー「バダラッシカルロ社」をご紹介しました。
革作りについての研究をしていたカルロ氏は製法についての独自の理論を編み出し、その証明のために会社を創業したそうです。
どの革も、今の時代にあったサステナブルな製法によって生まれ、上品な表情でありながら、本革ならではのエイジングを存分に楽しめる革となっています。
世界中に多くのファンを抱える同社の革を、ぜひあなたもチェックしてみてくださいね。
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