今回は革靴の磨き方についてお話します。

一見難しそう感じる革靴の磨きですが、慣れてしまえば数分で綺麗に磨くこともできるようになります。

最初は手こずってしまうこともあるかもしれませんが、このコラムではこれまで革靴を磨いたことがないという方にも分かりやすく「革靴の磨き方」をご紹介していきますので、ぜひゆっくりとご覧ください。

革靴ケアの必要性

靴を磨くことはきほんの「き」

革靴のお手入れはなんと新品の状態、つまり履き始める前から必要だということをご存知でしょうか?

気に入った革靴を何年も履き続けるためには、それくらい「ケア」というものが重要となり、ケアをするか否かで革靴の寿命は大きく変わります。

なかでも革靴を磨くということは、靴全体の見栄えをよくすることだけでなく、革に栄養を与える重要なケアのひとつになります。

靴磨きをする頻度は?

気になるのは「革靴のお手入れはどのくらいの頻度で行えばよいのか」ということですが、基本的には“毎日やる”ことをおすすめします。

ただ、お手入れといってもこだわったことを毎日する必要はなく、普段はたった数分のブラッシングのような簡単なもので十分です。

このような感じで帰宅後などに数分時間を設けて、革靴と向き合うことのメリットは他にも。

例えば、表面の小さな傷などを見つけることができたり、ソールの減り具合を確認することもできます。

普段の生活では気づかないような劣化に早く気付くことができれば、小規模の修理や補修で大切な革靴を長持ちさせることができるのです。

準備するもの

革靴の磨きに必要なケア用品は下記の通りです。

ケアにこだわるのであればすべて必要になりますが、予算に合わせ、必要性が高いものから揃えていくのもよいでしょう。

靴磨きの手順

それではここから革靴の磨き方について手順をご説明します。

主に革靴磨きには5つのステップが存在します。

  1. ブラッシング
  2. クリーニング
  3. 補色
  4. 磨き
  5. 仕上げ

この手順はほかの革製品にも応用することができますので、ぜひ覚えておきましょう。

革靴の磨き方

下準備をお忘れなく

革靴を磨く前には下準備が必要になります。

磨き方にもよりますが、ケア中には靴にかなりの圧力をかけることがあります。

革靴が変形しないよう、シュートリーはケアをする前にしっかりと入れておきます。

また、シューレース(靴紐)も汚れる場合がありますので、解いて除けておきましょう。

ブラッシングで汚れを取り除く

シュートリーを入れたら、まずは馬毛ブラシで表面の汚れを落としていきます。

ここでしっかりと汚れを落としておくことで、今後の磨きがとてもやり易くなります。

ブラッシングは時間をかけてゆっくりと行い、終わったら普段お手入れをしないようなコバ(縁)部分も入念にきれいにしてあげましょう。

ブラッシングのワンポイント

馬毛はほどよいコシと密度があり、ブラッシングに最適な素材と言われています。

馬毛ブラシは効率よくブラッシングもできるので、必ず準備しておきたいアイテムです。

ブラッシングで革製品を清潔に!正しい使い方と効果を解説!

見えない汚れをクリーニング

表面の汚れを落とし終えたら、次はクリーナーでブラッシングでも取り除けなかった表面の汚れや古いクリームを取り除き、革靴をすっぴんの状態にしてあげます。

表面がきれいに見えていても、実際は目に見えない油分や汚れが残っています。

クリーナーは液体でもスプレータイプでもどちらでも問題ありませんが、直接革靴に付けることはせず、ポリッシングクロスに取ってから使用しましょう。

クリーニングのワンポイント

クリーナーの使い過ぎはシミの原因ともなりうるので、適量を取るようにしましょう。

また、万が一のことを考えて使用は革靴の目立たない箇所からすることをおすすめします。

革の表面がマットになれば十分です。

シュークリームで補色

表面のクリーニングができたら、シュークリームを使って靴全体の見た目を整えていきます。

補色はいわば革靴の擦れた部分に色を入れる作業。

つま先部分などのよく擦れる箇所に補色をして、見た目を元に戻してあげましょう。

色は革靴に合った色を選び、少量をペネトレイトブラシやクロスに取ってから使います。

クリーナーと同じく、クリームの使い過ぎはシミの原因ともなりうるので気をつけて、革靴の目立たない箇所から使いましょう。

少しずつ靴に馴染ませるように塗り伸ばしていきましょう。

補色のワンポイント

クロスは指に巻き付けて使うととても磨きやすくなります、皺のないようにピンと指先に巻き付けましょう。

指でシュークリームを塗れば、指の体温でクリームが適度に溶けて革にうまく浸透します。

補色について。革製品についた傷やスレ痕を綺麗に戻す方法。

磨きで革靴に光沢を出す

シュークリームで補色ができたら、次にブラッシングを行います。

このブラッシングには、馬毛ブラシではなく、豚毛ブラシがおすすめです。

表面のシュークリームを均等に伸ばしながら、革に馴染ませるようにブラッシングすると、靴全体に光沢がグッと出てきます。

磨きのワンポイントアドバイス

豚毛ブラシは毛が柔らかく、クリームを革靴に馴染ませる効果を持っています。

革靴を複数お持ちの方はブラシの毛先にクリームの色が付着するので、黒い靴には黒色用のブラシ、茶色の靴には茶色用のブラシといった具合に複数のブラシを用意しておくとよいでしょう。

仕上げでより美しく

最後に革靴に残った余分なクリームをポリッシングクロスでふき取っていきます。

仕上げにはきれいな面を使いましょう。

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その他のケア

コバのメンテナンス

意外に汚れやすい革靴のコバ。

コバの表面があれている場合には、目の細かなヤスリを使って整えます。

表面のザラザラ感がなくなったら、専用のインキを塗ってあげましょう。

コバがきれいになると革靴の輪郭ができ、靴全体の印象を変えることができます。

ソールの保護

ソール(靴底)はブラッシング後に専用のコンディショナーを塗って、靴裏を保護することが可能です。

靴の中の除菌

カビ予防のためにも、革靴の中をアルコールシートで除菌しましょう。

鏡面磨きにチャレンジ!

革靴に鏡のような光沢を出すケアのことを、鏡面磨きといいます。

鏡面磨きは先ほどご紹介した仕上げのあと、シュークリームとワックスを交互に塗っていきます。

シュークリームを塗って表面がマットになったらロウを塗るといった具合に行い、豚毛ブラシと山羊毛ブラシでブラッシングをして光沢を出します。

最後に水を軽くポリッシングクロスに含ませ、ワックスと合わせて磨いてあげれば完了です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は革靴の磨き方についてご紹介しました。

最初は難しい革製品のケアですが、一度磨き方を覚えてしまえばあとは簡単!

革靴のケアをしてみたい方、擦れ傷が気になるという方は、今回ご紹介した方法をぜひお試しください。

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