
わたしたちの周囲には、多種多様な皮革製品があります。
しかしながら、「皮革」が、どのようにして作られ、どのような性質を持っている素材なのかをうまく説明できる人は、そう多くはないでしょう。
この記事では、そんな皮革という素材について解説します。
皮革とは?
皮革(ひかく)とは、「皮」「革」の総称です。
まず、「皮」は、動物から剥いだままの、“生の皮”のこと。
そして、「革」は、皮が鞣されたものを意味しており、それぞれの総称が、「皮革」となります。
しかしながら現在は、「革」としての意味合いを主に持っている言葉として使われています。
もともと動物の皮である点を考えれば、天然素材のひとつということができ、そのほかの天然素材に似ている性質を持っています。
そんな皮は、動物の種類によってある程度の違いはあるものの、その構造はほぼ同じであり、驚くほどに精巧かつ合理的な構造をしています。
動物の皮の基本構造は、表皮、真皮、皮下組織の層から構成されていますが、鞣しを施すことによって、真皮の層だけが「革」となります。
また、真皮の表面に近い層(乳頭層)には、毛根、毛穴が存在しており、「銀面」と呼ばれる“皮革の表面”となるのです。
皮革の種類
本来、「皮革」とは、食肉産業の副産物が利用されたもので、動物から採れた皮のことをいいます。
ただ、石油製品である「合成皮革」「人工皮革」のように、そもそもが“皮革素材”でないものにも、その言葉が使用されている場合があります。
ですので、一般的に「皮革」とは、天然皮革、合成皮革、人工皮革のすべてを意味する言葉として覚えておくとよいでしょう。
皮革の特性
そもそも、動物の体を覆うものであるため、基本的には丈夫な素材となっています。
わたしたち人間と同じように、太陽の紫外線、自然の変化が常にある環境で生きる動物の皮は、あらゆる体内の組織、細胞を守るために存在をしており、その生物の進化とともに、ゆっくりと時間をかけてながらも強靭化を遂げてきました。
また、動物の種類、部位によって、それぞれの性質が異なります。
そういった点を踏まえて、皮革製品を作る場合には、その特徴などをしっかりと見極める技術が求められることにとなります。
動物
牛皮
最も生産量の多い、牛皮。
その多くは、食肉産業内の加工の過程で生まれた“副産物”であるため、生産量、供給量が安定しています。
牛皮の種類は、月齢と性別、出産の有無などによって、かなり細かく分類がなされています。
牛皮の特徴は、繊維層がほぼ均一であり、耐久性に優れているということ。
北米地域が主産地になりますが、地生(じなま)と呼ばれる、国産牛皮もあります。
豚皮
多数の毛穴があり、通気性に優れます。
そんな毛穴由来の凹凸が表面に残っているのも特徴。
また、軽くて薄いだけでなく、摩擦にも強いため、革靴の裏革としてよく利用されています。
山羊皮
かなり皮厚が薄いものの、繊維密度が高いため、耐摩耗性に優れています。
馬皮
繊維組織が粗いものの、もともと毛穴の数が少ないために、かなり滑らかな表面になっています。
しかしながら、臀部だけ性質が異なっており、とても緻密な繊維組織があります。
そんな臀部の皮は、コードバンと呼ばれ、高級素材のひとつとして扱われています。
羊皮
多数の品種があり、それぞれ異なる性質を持っています。
子羊の皮は、ラムと呼ばれており、その柔軟性が人気です。
鹿皮
銀面上に傷があることが多いため、銀面を取り除いて使われることがあります。
硬さがあるといわれる鹿皮ですが、その代表的な鹿皮には、柔軟性と感触の良さに定評のある「セーム」などがあります。
部位
ベンズ
肩部と腹部、四肢の上部を取り除き、背線で分割した側面部のこと。
かなりの厚みがあり丈夫で、多種多様な皮革製品に使用されるなど、その用途がとても広い。
バット
背中から臀部のあたりの部分のこと。
ベンズと同じく、繊維密度が高く、大変丈夫な点が重宝されている。
ショルダー
柔軟性が適度にありながら、ある程度の強度を持ち合わせた肩部のこと。
ただ、よく動いていた部分であるため、シワがある。
ベリー
腹部のこと。
繊維密度の間隔が広いため、大変伸びやすい。
皮革の歴史
皮革素材は、人類が誕生してからというもの、いつの時代にも欠かすことのできない“必要不可欠なもの”として、衣類、家具などに使用されてきました。
ヨーロッパ地域の国に比べて、食肉産業の発展が遅れた我が国は、生活用品に“皮革”が用いられるのは、やや遅かったと考えられます。
しかしながら、第二次世界大戦後の大きな生活様式の変化により、皮革素材の需要が拡大していきました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
天然素材のひとつである、皮革。
多種多様な製品に用いれられるなかで、天然素材であるが故の欠点があるのも、また事実。
ただ、そんな欠点を認めながらも、その利点を愛でることで、動物の命を最大限に活用することができるのです。
モノの消費ということでは言い表せないような、気持ちの充足感こそが、わたしたちの生活に潤いを与えてくれることでしょう。
リンク:オンラインストア
