革製品の金具によく使われる真鍮(しんちゅう)。

金属の一種である真鍮は、革製品だけでなく、多くの製品に使われています。

植物タンニン鞣し革と同じく、趣のある経年変化を遂げる真鍮。

今回は、そんな革製品と相性ぴったりな真鍮の魅力と磨き方などのお手入れ方法について解説します。

真鍮とは?

真鍮は、銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金のことを指し、別名:黄銅(こうどう、おうどう)ともいいます。

また、真鍮は亜鉛の含有量が20%以上のものを指しており、やや赤みのある色、強度としなやかさを兼ね備えた金属となっています。

真鍮には、熱を加えることによって様々な形に加工がしやすいという性質があることから、デザイン性が必要となるインテリアやアパレル製品によく採用されています。

さらに熱伝導率がとても高いという特徴から、コンセントの内部素材としても使われています。

日本では、私たちが日常で使っている五円玉にも使われていることでよく知られています。

また、英語で真鍮は「ブラス」と訳され、トランペットなどの金管楽器のみを使用する楽団をいう「ブラスバンド」という言葉の語源にもなっています。

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真鍮の経年変化と磨き方

経年変化による雰囲気の違いを楽しもう!

真鍮の魅力に経年変化があります。

真鍮は空気に触れて酸化することによって色が徐々に深くなり、光沢が霞んでいきます。

経年変化を遂げた真鍮は、味わいのあるアンティーク調の色に魅力的に変化します。

必要な手入れは磨きだけ

美しく輝く真鍮ですが、お手入れをしなければ光沢感は徐々になくなっていきます。

真鍮は無垢な素材だけに、水分や湿度に対してはやや弱く、簡単に変色してしまいます。

しかしながら、真鍮は研磨剤を使って軽く磨くだけで簡単に元の状態に戻すことができるため、光沢の霞みが気になる方は定期的に真鍮を磨いてあげるとよいでしょう。

また、目の細かい鑢(ヤスリ)を使って磨く方法もあります。

サビを見つけた場合は・・・

真鍮製の金具の周りには、青緑色をした緑青(ろくしょう)というサビが付着しやすくなります。

緑青は放置することもできますが、色移りの原因にもなりますので、しっかりと除去しておくとよいでしょう。

金属周りに付着する緑青とは。気になる落とし方をご紹介。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

革製品には様々な種類の金具が使われています。

改めて金具の素材の特徴を知ることで、その製品の価値や楽しみ方が変わってきます。ぜひ

ぜひ、生活用品のなかに真鍮を使った製品があるかを探してみてください。

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