皆さんは多くの製品に取り入れられている「パイピング(加工)」の意味をご存知でしょうか?
この加工を行うことによって、どんなメリットが生まれるのかなど、sot(ソット)の製品に採用されている特別なパイピングもご紹介します。
ぜひご覧ください。
パイピングとは?
パイピングは玉緑(たまぶち)とも呼ばれる装飾技法のひとつです。
主に製品の端がほつれたり、損傷をしないようにきれいに始末をする方法です。
革製品だけでなく、裏地のないスカートの縫い代や衿ぐりなどの布の継ぎ目の装飾としても使われ、そのほかにも洋服のポケットやボタンホール部分にも応用されています。
パイピングの役割は主に2点
では次に、革製品にパイピングをすることによって、どんなメリットが生まれるのかをご紹介していきます。
パイピングには、大きく2つのメリットが存在しています。
①補強、ほつれの防止
まず1つ目が、製品の耐久性を向上させることができるということ。
一般的に「コバ」と呼ばれる製品の端の部分は、長年の使用で消耗を受けやすく、この部分をパイピングによって保護することによって、製品を補強することができます。
コバ部分の消耗が進むと、革と革に割れ目ができたり、一緒に縫い付けられた布地などがほつれて表に出てくる場合があるんです。
これらを覆い隠し、なおかつ保護するのがパイピングなのです。
また、このパイピング部分が消耗してきた場合には、再び交換をする修理ができる場合もあり、より長く同じ製品を使うことができるのです。
しかしパイピング加工そのものが非常に手間のかかる作業であるため、どんな製品にも見られるものではありません。
パイピングがなされた商品があれば、「耐久性にこだわった商品」と考えてよいでしょう。
②デザイン性の向上
メリットの2つ目がデザイン性を高めるということ。
特に洋服ではこのデザイン性を重視して、パイピングをするメーカーが多く見受けられます。
革製品の場合には、“製品の輪郭をしっかりと持たせる”ことを理由にパイピングが施されている場合もあるんです。
パイピングの部分だけ、本体と違う色や素材を変えたものにするなど、パイピングをデザイン要素のひとつとして活用しているんですね。
sotのパイピングにはこんな秘密が!
一般的にパイピングは、「中のものを挟み込んで縫い付ける方法」で加工されますが、sotで一番人気のプエブロレザーシリーズは、よりこだわったパイピングを施していることをご存知でしょうか?
一般的なパイピングと、プエブロレザーシリーズにみられるパイピングを断面図にして比較しましたので、ご覧ください。
※①革 ②パイピング ③縫製糸
左が一般的なパイピング、右がプエブロレザーシリーズのパイピングです。
商品を見てもわかるのですが、プエブロレザーシリーズのパイピングは表面から見ると、パイピングに使われている革の切れ目が一切見えず、とてもきれいに仕上がっているのがわかります。
これは一度、革を裏面から縫い、それから革をひっくり返して全体を縫い付けているためです。
より美しい見た目になるこの特別なパイピングの加工は、技術的にかなり難しいとされており、限られた革職人のみが行える加工となっています。
パイピングの交換をするために必要なこと
sotでは前述したようにパイピング部分の交換修理を承っております。
しかしながら、革製品の使い方によってはこの修理をお受けできないことも。
必要な時にしっかりとパイピング修理ができるよう、日々気を付けておきたいことをまとめました。
もし今後、「長く同じ製品を使っていきたい!」と思っている方はぜひチェックしてみてください。
①製品を極力大切に使う
パイピングの交換は、原則としてパイピングの消耗が過度に進んでいないことが条件になります。
すでにパイピングが破れ、内部にまでダメージが見受けられる場合には、修理期間が長期になったり、本体の革の交換もしなければならない場合もあるので要注意。
修理の目安として、写真のような状態になった時点でパイピングの交換修理を受けていただくことをおすすめします。
②製品の変形に注意。
製品の四隅は特にダメージを受けやすい部分。
この部分が変形している場合は、縫製作業が行えない場合があります。
できるだけ形に癖のつかないように使用しましょう。
sotの製品の修理内容については、下記コラムにて詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
パイピング加工は手間とコストがかかるため、どんな革製品でもみられる加工ではありません。
また、耐久性の面においても、より長く愛用することができるのでとっても経済的です◎
ぜひ店頭にお越しの際は、パイピング加工にもご注目ください。