バケッタレザーとは

バケッタ製法によって生まれる革

バケッタ製法は、植物性タンニンをじっくり時間をかけて染み込ませながら鞣す、イタリアンレザーの伝統的な革の鞣し方法のひとつです。

実はこのバケッタ製法は、他の鞣し方法と比べてかなりの時間と労力がかかることから、以前は衰退しつつありました。

ちなみに詳しい製法は公になっておらず、トスカーナ地方のタンナーの中で脈々と受け継がれています。

情報管理の面からも、とても価値のある伝統的な製法であるのがうかがい知れますね。

バケッタレザーの特徴

バケッタレザーの特徴は大きく分けて3つあります。

一般的な革との違いを知っておきましょう。

革のエイジングが早く、圧倒的に美しい

バケッタレザーの良さは使って初めてわかるものです。

革の内部には長時間かけて染み込ませたオイルがたっぷりと含まれていて、エイジングによる色の変化が大きく、艶感がグッと増していくという特徴があります。

このエイジングに魅了される人が多いのは言うまでもありません。

手に馴染む柔らかな手触り

バケッタレザーはとても柔らかく、手触りはしなやかです。

本革の魅力のひとつでもある手触りのよさは抜群です。

環境負担が少ないエコな革

バケッタ製法に使われる植物タンニンは100%天然由来。

この木材から採取した植物タンニンは再生可能な環境に優しい原料です。

タンニン鞣しとは。自然の恵みタンニンについても解説。

バケッタ製法を復活させたタンナー「バダラッシカルロ社」

そんなバケッタレザーを見事甦らせたタンナーがバダラッシカルロ社です。

同社創業者のバダラッシ・カルロ氏が、本革ならではの風合いを最大限引く出すべく、この製法を甦らせるために尽力されました。

当初は他の革と比べても生産量が少なくなることや、価格も高くなってしまうことから、販売にも苦労したそうです。

販売が軌道にのって以降もこのバケッタ製法に魅了され続け、バケッタ製法を用いた革づくりを続けています。

バダラッシカルロ社について。革好きなら知っておきたい有名タンナー

主なバケッタレザーをご紹介

プエブロレザー

sot(ソット)で一番人気のレザーシリーズ「プエブロ」。

和紙のようなザラりとした独特の手触りと、見事なエイジングが特徴です。

リンク:プエブロレザー商品一覧ページ

ミネルバボックスレザー

日本に多くのファンを持つミネルバボックスレザー。

表面のシボと呼ばれる凹凸感と、鮮やかな色味が特徴です。

リンク:ミネルバボックスレザー商品一覧ページ

バケッタレザーのお手入れ方法

特別なメンテナンスは使い始めてすぐには不要となります。

毎日使うことで、革内部に含まれたオイルが表面に浮き出て浸透することにより、エイジングが自然と進んでいきます。

他の革と同様、水分や大きな傷、極度の乾燥に気を付けながらお使いください。

エイジングはどうして起こるのか。綺麗に色を変化させるコツもご紹介。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はイタリア・トスカーナに伝わる伝統的な革の鞣し方法「バケッタ製法」と、バケッタ製法によって作られる「バケッタレザー」の特徴について解説しました。

希少性がとても高い伝統技法で生まれるバケッタレザーは、現代では主流となった化学薬品を用いて作られた革では演出できない魅力が沢山詰まっています。

ぜひあなたもバケッタレザーの魅力を体感してみては?

なぜ革産業が盛んなの?イタリアンレザーのすべて