革の鞣しに使われる「タンニン」。

今回は、タンニンの効果をご紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

タンニンとは

タンニンは天然の植物から採取できるポリフェノール化合物(渋)の一種のことです。

私たちの身の回りにある植物の木質部(もくしつぶ)や樹皮、枝や実といった部分にタンニンは含まれており、アフリカや南米のミモザやケブラチョ、チェスナットといった植物に多く含まれます。

一口にタンニンといっても、タンニンは様々な分野で使われている成分でもあり、我々のような皮革産業で使われる名称は「タンニン」ですが、他分野ではその呼び名が変わります。

例えば木材工業では「リグニン」、食品や医薬分野では「タンニン酸・カテキン・フラボノイド・ポリフェノール」などと呼び名を変えて使われています。

また、一般的に植物から採取されたタンニンのことを“植物タンニン”と呼びます。

タンニンの性質

タンニンは鉄や銅、鉛などの金属や重金属と反応すると沈殿物を生む性質があります。

私たちの身近にあるタンニン

意外にもタンニンは我々の身近なところに多く存在しています。

例えば日本人にとって欠かせないお茶の葉。

さらには柿やワインやコーヒー豆にもタンニン成分が豊富に含まれています。

タンニンはこれら果実を含む植物の木質部や葉、樹皮、枝や実、根にまで含まれており、動物や寄生虫などによって傷つけられることを防いだり、厳しい気候条件や水質条件による悪環境から植物を守る役割を担っています。

タンニンは植物の種子が安全に他の場所に運ばれる為に存在する、とても大切な要素なのです。

オーク、ヌルデ、ケブラチョなど。植物タンニンを作り出す木々をご紹介

タンニンの効果

「皮」をタンニンに長時間漬けることで、動物の皮の内部繊維に含まれるタンパク質や脂肪、不純物を除いて皮を軟化させ、加工しやすい状態や、腐敗や硬化しない状態にします。

この作業を「鞣し(なめし)」といい、鞣しを終えたものを「革」といいます。

また、タンニンで鞣された革には、下記のような特徴も生まれます。

  • 可塑性
  • 耐熱性
  • 耐久性
  • 通気性
  • 吸湿性

特に重要なのが革の通気性と吸収性の向上です。

これによって、悪臭の原因となるバクテリアの増殖や不快な臭いも防ぐことができます。

皮と革。その違いを分かりやすく解説。

食料品

お茶

タンニンの中に含まれるカテキンが抗酸化作用を働かせます。

化粧品などにも利用されています。

コーヒー

コーヒーに含まれるポリフェノールが頭をスッキリさせる覚醒作用を持っています。

ワインなど

お茶同様にカテキンを含むワインは健康にも良いとされています。

また、ワインをタンニンに触れさせることで、鮮やかで深みのある色にすることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、革の鞣しにも使われるタンニンについて解説しました。

最近では技術向上によって、その可能性と用途もさらに広がりつつあり、動物の肥料やインク、繊維、ダンボールなどにも使われています。

タンニンを使った鞣しは天然の恵みを使った世界一エコな製法です。

環境に優しいタンニンで鞣された革製品をあなたも選びませんか?

サステナビリティレポート。レザーブランドとしての取り組みをご紹介!