ホックなどの金具周りに、“青緑色の付着物”を見かけることがあるでしょう。

これは、“緑青”と呼ばれる、日常的に見かけるサビ(錆)のひとつ。

緑青は、革製品に使われている金具周りだけでなく、硬貨や銅像にも見ることができます。

緑青が革製品に付着している場合、どのような危険性があるのでしょうか。

この記事では、緑青の正体と落とし方について解説します。

緑青とは?

緑青とは、真鍮、銅などの金属類が、空気中の水分や塩分と反応して酸化することによって生まれる“サビ”のこと。

読み方は「ろくしょう」とされ、別名:青サビ(あおさび)と呼ばれることもあります。

また、英語訳は「パティーナ」となります。

緑青は、私たちにとって、かなり身近なものといえます。

ニューヨークの「自由の女神像」、鎌倉の「銅造阿弥陀如来坐像」といった、銅製の像。

また、十円玉の周りなどに、緑青が付着しているのを見たことがあるのではないでしょうか。

なかでも金属製のアクセサリーなどは、必然的に肌と触れ合い、水分が直接汗として触れるため、緑青が生じやすいとされています。

毒性がある?

緑青には、明らかな毒性は“ない”とされています。

かつては「健康を害するような毒性をもつ、とても危険なもの」とされていたようですが、その後の研究によって、緑青には毒性がないという結果が出されています。

緑青の原因

緑青が発生する原因は、ずばり“空気”と“水気”。

緑青は、ほかのサビ同様、水分が金属に染みることによる、“湿食”と“酸化”によって引き起こります。

メッキ加工などをしていないような無垢な金属は、酸化により、赤褐色から褐色、さらに進むと暗褐色や黒褐色、緑青色となるのです。

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緑青の落とし方

すべて落とすべき?

緑青は、その見た目から落としたほうがよいのではないかと感じますが、緑青があることによる利点があります。

例えば、緑青が金属に付着することによって、酸化による金属の腐食が遅くなるという効果。

ニューヨークの自由の女神像が、あれほどの大きな作品としての原型を留めているのも、緑青が像を覆い、金属の腐食を防いでいるからこそ。

また、緑青色は、ヴィンテージ感を漂わせてくれる“味”として捉えることもできるかもしれません。

ただ、緑青を長らく放置してしまうと、緑青が落としづらくなる、深刻な色素沈着状態になってしまう危険性があります。

そのため、あまり大きな理由がない限りは、緑青を落としてあげるとよいでしょう。

あらかじめ準備するもの

緑青は、研磨剤と清潔な布、綿棒などを使えば、比較的容易に除去することができます。

  • 研磨剤
  • 綿棒

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緑青の膜を剥がす

まず最初に、清潔な布を使い、緑青を拭き取っていきましょう。

細かな部分については、綿棒などを活用すれば、緑青を剥がすことができるはず。

緑青が周りに散らないよう、新聞紙の上などで行ってください。

研磨剤をつけて

研磨剤を布につけ、緑青があった部分を手でなぞるように磨いていきます。

最後の仕上げに、綺麗な面を使い、研磨剤を拭き取り、乾拭きをしてください。

今後のために

緑青が一度付着したものは、緑青が再発しやすくなる傾向があります。

引き続き使い続ける場合は、水分が付着していないかを調べ、水分を除いてあげることを意識してください。

また、緑青は自然的に発生します。

できるだけ風通しのよいところで保管するとよいでしょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

緑青は、比較的簡単に落とすことができます。

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