植物タンニン鞣しの鞣し剤によく使われる、タンニン。

この記事では、そんなタンニンの効果などについて解説します。

タンニンとは?

タンニンとは、自然界に自生するあらゆる植物から採取することのできる、ポリフェノール化合物のこと。

タンニンは、主に植物の木質・樹皮・枝・実などに豊富に含まれており、現在はとても幅広い分野に渡って使われている成分のひとつです。

この“タンニン”という名称は、皮革産業でよく使われる言葉として有名ですが、じつは他の分野では、その名称が変わることがあります。

例えば、木材工業では、“リグニン”。医薬産業では、“タンニン酸”、“カテキン”、“フラボノイド”、“ポリフェノール”などといわれます。

また、一般的に樹木のような植物から採取されたタンニンは、植物タンニンと呼ばれています。

タンニンは何のためにある?

タンニンは、植物のあらゆる部位に含まれています。

その役割は、動物や寄生虫からの攻撃を防ぐことに加えて、気候条件や水質条件の影響を受けにくくするなどがあります。

上記のように、タンニンは、植物の種子が安全に他の場所に運ばれる為に存在する、とても大切な要素となっています。

植物タンニンを作り出す植物たち。その特徴について解説。

タンニンの効果とは?

鞣し剤として

植物タンニンは、古くから皮の鞣しに用いられる薬剤、鞣し剤に使われてきました。

この鞣し剤を用いた鞣し製法は、植物タンニン鞣しと呼ばれ、世界最古の鞣し製法として知られています。

植物タンニン鞣しの鞣し剤に使用する植物タンニンのほとんどは、アフリカ大陸に自生する、ミモザ・ケブラチョ・チェスナットといった植物から採れたもの。

これらの植物タンニンを液状にして、ゆっくりと時間をかけて皮に浸透させることで、皮中の繊維層に含まれる、タンパク質・脂肪・不純物を取り除き、柔らかくて扱いやすい、腐敗しない状態に変化させるのです。

また、植物タンニン鞣しを施した革には、以下のような特徴が生まれます。

  • 可塑性
  • 耐熱性
  • 耐久性
  • 通気性
  • 吸湿性

上記のように、植物タンニン鞣し革は、耐久性などに優れていますが、生産されるまでに手間と時間がかかるうえ、広大な敷地を必要とすることから、より効率よく鞣しができる“クロム鞣し”が現在の主流となっており、植物タンニン鞣し革の生産量は減少の一途を辿っています。

ただ、植物タンニン革にしかない自然的な風合いは、本物志向のある世界中の“革好き”から圧倒的な支持を得続けています。

脈々と受け継がれる技。植物タンニン鞣しについて解説。

環境負担が少ない

植物タンニン鞣し革は、たとえ燃焼廃棄をしたとしても、有害物質が排出されることはありません。

また、土中に埋めた場合には、組織分解が確実に進み、やがては土に還るという特性を持ち合わせています。

上記のように、植物タンニン鞣し革は環境に優しい素材としても知られており、世界から注目を集めています。

sot(ソット)のサステナビリティレポート。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

鞣し剤などに使われる、タンニン。

近年は、技術の向上によって、タンニンの用途がさらに広がり、動物の肥料、インク、繊維、ダンボールの素材にも活用されているそうです。

また、植物タンニン鞣しは、“環境に最も優しい鞣し製法”です。

環境負担の少ない鞣し剤から生まれた革製品を、あなたも選びませんか?

リンク:オンラインストア / 商品一覧

“皮”から“革“に変化する瞬間。鞣し(なめし)について解説。