革製品を綺麗に使うために欠かせないのがシミの対策。
革は雨や飲み物などの水分だけでなく、油分をとても吸収しやすい素材です。
特に水分は放置しておくと確実にシミになるため、しっかりと対処法を覚えておくことが大切です。
本記事では、水分や油分が付着してしまった場合の対策法などをご紹介します。
革製品のシミについて
本革は天然素材であるが故、水分や油分を含みやすい性質を持ちます。
革製品は水分の吸収と乾燥を繰り返すことで、繊維内の油分が徐々に失われて柔軟性を失い、ひび割れや変形などを起こす場合があります。
シミを完全に防ぐには、防水スプレーの使用や水分が付着した場合の適切な対処を欠かすことはできません。
特殊な仕上げを施していない植物タンニン鞣し革のような革は、よりシミができやすいため、油膜が生成される経年変化前は特に注意が必要です。
シミの防ぎ方と落とし方
飲み物によるシミ
革製品のシミの原因になりやすい飲み物。
身近にあることが多いものだからこそ、常に付着に気をつけることが大切となります。
飲み物を革製品にこぼしてしまった場合は、水を含ませたハンカチやタオルを当て、しばらく乾燥させましょう。
コーヒー
コーヒーは水性のシミの代表格。
コーヒーを革製品にこぼしてしまったという失敗談はとても多く、よくお客様からもご相談をいただきます。
一般的にコーヒーは油分をあまり含んでいないので、早急に対処すればシミになる危険性が低くなります。
ジュース
果汁入りのジュースなど、色素が強い飲み物は色素がシミとなって現れやすいので気をつけましょう。
アルコール
アルコールは色素が強く、浸透すると革本来の風合いを変えてしまう性質があるので特に注意が必要です。
アルコールスプレーなどにも注意してください。
雨によるシミ
革製品にできるシミの原因として一番多い、雨によるシミ。
本革は水分が浸透するとシミができるだけでなく、水分の蒸発によって硬化する、“熱収縮”という性質を持っています。
特に植物タンニン鞣し革のような、化学薬品を使わない素材は熱収縮を起こす温度が低いため注意しましょう。
雨によるシミを防ぐには、防水スプレーを定期的に吹きかけることが重要です。
防水スプレーは水分の浸透を防ぐだけでなく、小さな汚れの付着を防ぐ効果もあるため、必ず一本は用意しておきましょう。
もし革製品が濡れてしまった場合には、できるだけ早くタオルなどの布で押さえるなどして水分を取り除き、陰干しをして乾燥させてください。
ボールペンによるシミ
ボールペンが革製品についてしまった場合は、消しゴムで擦ったり、揮発性のある溶剤で軽くたたくことで、早急に対処すれば取り除くことができます。
ボールペンは時間の経過と共にシミになりやすくなるので、早めに対処することが重要となります。
ドレッシングによるシミ
ドレッシングなどのソースは、油分が多く含まれているものがほとんどです。
油が染み込んでしまった場合は、残念ながら浸透した分を取り除くことはかなり難しくなります。
ただ、上記のような場合でも、すぐに濡れた布で油分をふき取るなどの対処ができれば、深刻なシミにはなりづらいでしょう。
どうしてもシミを取り除きたい場合には、専門業者に依頼することを検討してください。
血液によるシミ
血液を取り除く場合は、水で濡らした布で拭き取ることが効果的ですが、お湯の使用は厳禁となります。
血液に熱が加わってしまうと血液中のたんぱく質が凝固してしまい、革内部の繊維に完全に馴染んでしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、革製品のシミについて解説しました。
シミの原因となる雨などの水分は、防水スプレーを使用することでシミになるのを防ぐことができます。
また、革製品を扱う際は、できるかぎり周囲のものに注意して使うこと大切です。