羊革(シープスキン)は天然繊維として利用範囲が多岐にわたる革のひとつです。
また、羊の毛であるウールや毛皮のムートンは断熱性に優れ、私たちが着る洋服やマフラー、コートなどにもよく使用されています。
今回はそんな羊革の性質や品種による特徴の違いなどをご紹介していきます。
羊革について
羊の革は薄くて柔らかく、見た目が美しいという特徴があります。
このような特徴を持つ羊革は、古くは筆写用の紙としても利用されていました。
現在は主に衣料品やブーツ、手袋などに使用されており、ゴルフやバッティンググローブなどのスポーツ用品にも使用されています。
羊革の鞣し剤には、ホルマリンや明礬(みょうばん)、アルミ鞣しを使うことが一般的でしたが、現在では他の革同様にクロム鞣しされることが主流となっています。
毛皮としても人気
先ほどもご紹介したように、羊は革だけでなく肉や毛など利用目的が多岐にわたります。
革の主な原産地はエチオピアやアフリカで、毛皮はオーストラリアやアメリカとなっています。
特に毛皮は敷物や寝具としても人気で、北極圏のような厳しい寒さがある国では羊の毛皮(ムートン)を使った製品が生活必需品なのはご存じの通りです。
羊革の種類
ヘアーシープ
ヘアーシープは山羊によく似た羊で、エチオピアやナイジェリア、インドやインドネシアなど、赤道に近い熱帯地域に生息しています。
ヘアーシープの特徴は毛の質がかなり悪いものの、皮は薄く質が高い点。
特にエチオピアの高地に生息する羊の革は、薄くて丈夫であり、高級素材として知られています。
ウールシープ
主にウールを取るために飼育されている巻毛の羊です。
ヘアーシープと違い、ウールシープは比較的気温の低い土地に生息しています。
特徴は体内の栄養が毛に優先的に行きやすい性質を持つこと。
この性質によって毛質は滑らかで高品質、一方の皮の質は落ちるという点です。
このため鞣しをすることも難しく、一般的な革製品として利用されることはあまりありません。
身近なものでは、本の表紙や眼鏡用の拭きものなどに使用されています。
ラムスキンとシープスキンについて
ラムスキンは生後1年未満の仔羊の革、シープスキンは生後1年以上が経過した羊の革のことです。
ラムスキンは毛穴も目立たず、きめ細かいのでとてもきれいな見た目となります。
また、柔らかく軽いので肌触りもよく、 高級素材として知られています。
羊革の特徴
軽くて柔らかい
牛革や馬革に比べて繊細で傷がつきやすく破れやすいという弱点があるものの、手触りが柔らかさと軽さは他の革にはない特別な特徴です。
エイジングについて
羊革は厚みがなく、オイルの含有量も少ないのでエイジングはあまり楽しめないといわれています。
ただ、肉厚な羊革を使った製品に限ってはエイジングを楽しむことができるでしょう。
お手入れはどうすればいい?
その他の革製品と同じく、ブラッシングとオイルを使ったメンテナンスが基本となります。
ただ、羊革はキズが付きやすい素材でもあるので、ブラシは山羊毛のような柔らかな毛を使ったブラシの使用がおすすです。
また、ポッシングクロスで表面を優しく拭くなどして対応してもよいでしょう。
羊革を使った製品のご紹介
革 京扇子
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撥水加工を施した専用のケースも付属しています。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は羊革の特徴などをご紹介いたしました。
他コラムでは豚革や山羊革など、様々な革の特徴についてご紹介しています。
気になった方はぜひそちらも併せてご覧ください。