東京都台東区、浅草。

大小の規模を問わず、長年革靴を作り続ける工場が軒を連ねるこの場所で、sot(ソット)の革靴は作られています。

この記事では、sot(ソット)の数ある革靴のなかで、もっとも特別な存在感を放つ「プエブロレザー プレーントゥシューズ」が作られる現場をご紹介します。

革靴が生まれる地

工房に入るとふわっと香る、皮革素材と木材が混ざった独特の香り。

一面に積み上げられた、様々な資材と大量の木型が出迎えてくれました。

この工房で作られているのは、sot(ソット)の「プエブロレザープレーントゥシューズ」。

プエブロレザープレーントゥシューズ」をはじめ、sot(ソット)の革靴は、機械を頼りに革靴を作る“マシンメイド”とは距離を置いた、“ハンドメイド”を基礎として作られています。

マシンメイドによる製作が普及するなか、ハンドメイドにこだわり続けるのは、「製品作りにきちんとした責任を持つ」という意識的な要素に加えて、そもそも機械よりも手の方が上手く作ることができるといった、技術的な要素があります。

ハンドメイドでしか込めることのできない、クラフトマンシップがぎっしりと込められる瞬間。

職人と革靴が向き合う、素敵な時間が流れる工房を覗いてみましょう。

人々を魅了する独特な表情と経年変化。プエブロレザーシリーズのご紹介。

革靴ができるまで

一足の革靴ができるまでの工程は、大きく分類すると以下のようになります。

  • 木型/ 型紙
  • 裁断 / 縫製
  • カウンター / 釣り込み
  • ラスト/フィニッシュ

木型 / 型紙

はじめに、革靴の木型に沿って、厚みのある紙を使って、型紙を作り上げていきます。

立体の木型を平面の型紙に落とし込むのは、見た目以上に難しい作業。

最終的な履き心地を頭で想像しながら、長い時間をかけて丁寧に進めていきます。

裁断 / 縫製

型紙が完成したら、つぎに使用する革を裁断します。

使用する部位の特徴による違いを考えながら、裁断する部分を見極めていきます。

パーツがすべて揃ったら、縫製を行います。

この際、革靴が平面的なものから立体的なものに徐々に変わっていきます。

カウンター / 釣り込み(吊り込み)

カウンターと呼ばれる作業は、かかとなど、靴の根幹となる部分が変形しないように芯を入れる作業のこと。

釣り込み(吊り込み)は、革靴を作る場面でもっとも象徴的な作業といえます。

釘を使い、革をしっかりと伸ばしながら、ソールに密着させていきます。

釣り込みをした部分とソールを組み合わせれば、もうすぐ完成です。

ラスト / フィニッシュ

全体を磨いたり、わずかに色を変えていく作業が、最後の仕上げとして行われます。

フィニッシュは、長年の感覚がものをいう世界。

職人の技術力が大きく問われる、緊張感のある場面となります。

魅力たっぷりの一足

徹底された管理

「この靴だけは、やっぱり特別です。」

そう言ってくれたのは、こちらの工場を案内してくださった、広報の方。

プエブロレザーの性質は、他の靴で使用している革とまったくといっていいほど違うため、プエブロレザーだけは、違う管理方法をしているのだとか。

オイルを豊富に含んだ革は、わずかな温度の変化、湿度の上昇に反応してしまうため、保管方法を見直してくださっているとのことでした。

また、この靴の製造は、たったひとりの熟練の職人さんを専任にしているそうで、わずかな革の表情の違いや、部位によって異なる特徴をしっかりと見抜けるようにしているそうです。

一日に作ることができる数は、たった数足

そんな革を使った、「プエブロレザープレーントゥシューズ」は、ほかの革靴に比べて、パーツや作業工程が比較にならないほど多くなります。

型紙をはじめ、インソールの素材、作業に使う接着剤の調合までもが、この靴のためだけに特別に用意されています。

そのため、どれだけ頑張っても、一日に作れるのは“たった数足”。

耐久性は折り紙つきであり、一生モノとして愛用していただける一足になっています。

スニーカー顔負けの履き心地。プレーントゥシューズのご紹介。

靴職人より

“ずっと履いてもらうこと”が、やりがいとなる

「端正を込めて作らせていただきましたので、永く愛していただけたら、嬉しいです。

私たちのような職人と呼ばれる人間は、直接皆様と顔を合わせることはありませんが、革靴のある生活を心から楽しんでいただければ、大きなやりがいになります。

革靴の製作、修理。

その革靴の状態に関係なく、心を込めて丁寧に作業を行っております。

心を込めて作っているからこそ、この靴が修理の時に里帰りしてくれるのも、とても嬉しいんです。」

sot(ソット)の革靴について

プエブロレザープレーントゥシューズ」に使われている革がとても好きで、経年変化によって、表情が変わっていくところは見ていて楽しいです。

そんな自分の好きな革を使って、靴を作れることは単純に嬉しいことだと感じています。

販売価格に合わせ、理想とするものからなにかを引いて作られる革靴が増えているなかで、sot(ソット)の革靴は、“いい革靴を作りたい”という気持ちが押し出されていることが、なんとも素敵だと思っています。

“引き算ではなく、足し算でできた靴” は、ほかの革靴と比べて、こだわりの部分が増えるので、かなり作業に手間がかかってしまいます。

だた、そんなこだわりがあるからこそ、私たちの技術も向上していきますし、なによりもこだわっただけの品質が皆様に伝わると感じています。

《アフターサポート》革靴の修理について。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

革靴ができるまでには、たくさんの工程があり、想像以上に時間がかかっています。

sot(ソット)では、ご紹介したほかにも、沢山の革靴を販売しています。

リンク:オンラインストア / プエブロレザープレーントゥシューズ

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