革製品を使うえで、決して忘れてはいけないのが、シミ対策。
ほとんどの革製品は、水分と油分が長時間付着することによって、シミができてしまいます。
上記のようなことがないように、万が一の場合を考えて、正しいシミ対策と対処法を覚えておくとよいでしょう。
この記事では、そんな革製品のシミについて解説します。
シミができるだけじゃない！
収縮変形
皮革素材は、もともと天然素材であるが故、水分と油分を吸収しやすい性質を持っています。
また、水分の吸収・浸透・蒸発を何度も繰り返してしまうと、繊維内の油分が失われて、油分が不足することによって、柔軟性が失われていきます。
過度に柔軟性を失った革製品は、ひび割れ、収縮変形を起こすことがあるので、注意してください。
万が一、革製品が濡れてしまった場合は、タオルなどを使って、水分を取り除きます。
その後、風通しのよいところに置いて、陰干しをしてあげましょう。
塩吹き
塩吹きとは、繊維内に含まれていた油分や塩分が、水分の蒸発と一緒に浮き出て、結晶化すること。
何度も塩吹きを繰り返すと、シミ跡ができることがあるため、注意してください。
塩吹きがある場合は、クリーナーを使ってきちんと拭き取り、クリームを塗って、仕上げに防水スプレーを吹きかけておきましょう。
収縮変形同様、できるだけ革製品には、水分を含ませないことが重要です。
“防水”と“撥水”に違いはある？
革製品には、防水加工・撥水加工が施されたものがあります。
ただ、どちらも水分の浸透を防ぐ効果は長続きしたいため、やはり防水スプレーを定期的に使用することが求められます。
防水性
表面に膜を作り出して、水分の浸透を防ぐこと。
透湿性がない。
撥水性
水分を弾く効果を与えて、水分の浸透を防ぐこと。
透湿性がある。
シミを作らないために
シミになる原因には、以下のようなものがあります。
- 飲み物・食べ物
- 雨
- 汗
- ペン
- 血
- 洗濯
どのような理由であれ、シミを作らないためには、素早く水分を取り除くことと、防水スプレーを活用して、撥水効果を持たせておくことが欠かせません。
飲み物
シミの原因になりやすい、飲み物。
飲み物をこぼしてしまい、革製品に付いてしまった場合は、タオルを濡らしてしっかりと固く絞り、濡れた箇所に当てて、乾燥させましょう。
コーヒー
コーヒーを革製品にこぼしてしまったという事例はよくあります。
コーヒーはあまり油分を豊富に含んではいないので、適切に早めに対処さえすれば、シミになることはありません。
ジュース
フルーツ系のジュースなど、濃い色をしたもの色素が強いため、シミとなった場合に目立ってしまうので、注意してください。
アルコール
アルコールは想像以上に色素が強く、浸透するとすぐにシミになります。
また、アルコールに含まれる“変質”という効果によって、革製品の風合いを大きく変えてしまうことがあるので、注意してください。
食べ物
ドレッシング
ドレッシングなどのソースには、油分が豊富に含まれています。
油分がすでに染み込んでしまった場合は、シミになる危険性があります。
ただ、上記のような場合、すぐに濡れた布で油分を拭き取るなどすれば、シミはあまり目立つことはないでしょう。
シミを取り除く場合には、専門業者に相談してください。
雨
大切な革製品が、雨などによって濡れてしまった場合、素早く拭き取ってから、しばらく陰干しをしてください。
ドライヤーなどの使用は、革製品を激しく傷める原因となるので、絶対にやめておきましょう。
ペン
ボールペンなどの油性の場合は、ティッシュで拭く、消しゴムで擦る、揮発性のある溶剤（リムーバー）を布に染み込ませてたたくことによって、油分を取り除くことができるとされています。
上記のような対応は、あくまでも油分が十分に浸透していない場合に限ります。
血液
血液を取り除く場合は、水で濡らした布で拭き取ることが効果的ですが、お湯の使用は厳禁となります。
血液に熱が加わってしまうと血液中のたんぱく質が凝固してしまい、革内部の繊維に完全に馴染んでしまいます。
洗濯
万が一、革製品を洗濯してしまった場合は、すぐに取り出してから、タオルなどで水分を取り除きましょう。
直射日光を避けて、ある程度自然乾燥をさせて、クリームを塗り込めば、収縮変形を防ぐことができるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
シミの原因となる水分や油分の付着・浸透は、防水スプレーを使うことによって、未然に防ぐことができます。
また、革製品を持ち歩く際には、できるだけ周りに気を配るようにするとよいでしょう。
