よくお店などで耳にする「本革」という言葉。

みなさんはこの言葉の意味をご存知でしょうか?

今回は本革とはどんなものを意味するのかを分かりやすく解説していきます。

本革にしかないメリットやデメリットや、合皮との違いなどもご説明していますので、ぜひ最後までご覧ください。

本革とは

本革とは、その名の通り“本物の革”という意味で、読み方は「ほんがわ」、英語ではreal leatherやgenuine leatherと訳されます。

本革は原料となる皮の種類に関わらず、動物の皮を鞣した革の総称として使われています。

このように“動物の皮を使った革”を本革といいますが、見た目を似せた合成皮革(通称:合皮)が本格的に流通して以降、本革の定義を誤解している方も増えてきたように思います。

まずは、本革は動物の皮を使った素材、合皮は革ではない素材と覚えておきましょう。

鞣し(なめし)とは。皮が革になるまで。

本革と合皮の違い

合皮とは合成皮革の略称で、動物の皮が原料に一切使われていない人工素材です。

英語でもfake leatherと訳されることからもそれがわかりますね。

基本的に合皮は布地にポリウレタンや塩化ビニールなど合成樹脂を塗って作られています。

近年の加工技術の向上によって、本革にかなり見た目を持つものもありますが、その性質は大きく異なります。

本革と合皮の見分け方

下記の点に注目すれば、その素材が本革か合皮なのかを見分けることができます。

  • 香りを嗅ぐ
  • 断面を見る

まずは香りを嗅いでみましょう。

合皮はビニール素材のような独特な臭いがするので、素材の違いを明らかに感じることができるでしょう。

また、本革の断面には大小さまざまな繊維を見ることができます。

合皮はこの繊維がないことを隠すため、断面が塗料で塗り固められていることがほとんどで、この方法も見分けるには有効です。

さらに、下記の方法で本革か合皮かを見分けることもできます。

  • 水を垂らす
  • 燃やす

合皮は合成樹脂で表面を塗り固めているため、水やクリームを吸収することはありません。

また、本革は燃やした時にやや甘い匂いがしますが、合皮は原料に使われている石油が燃えるため、鼻にツンとくる刺激臭がするのも特徴です。

こんな見分け方もある

もう一つおすすめしたいのが、製品のタグを確認することです。

革製品は品質表示法により、製品の外面積の60%以上が本革である場合には、どんな革を使っているのか、お手入れ方法を明記することが義務付けられています。

知っておきたい本革の特徴

吸湿性・放湿性が高い

本革はよく“呼吸する素材”といわれるほど吸湿性と放湿性に優れた素材です。

数多くある天然素材の中でもこの2点においてとても優れていて、多湿気候である日本においてはこれは大きな意味を持ちます。

また、本革は水蒸気を吸って暖かさを生む“吸着熱”と呼ばれる熱を発する優れた発熱素材でもあります。

革の手袋はこの性質を最大限に活かした製品といえます。

耐熱性・遮熱性に優れる

江戸時代まで消防士の防火服には革が使われていました。

また、製鉄現場作業員の作業靴にも使われるほど遮熱性も高いことで知られています。

可塑性がある

本革は比較的簡単に成形をすることが可能です。

この性質は俗に“革が馴染む”とも言われます。

本革は湿度を含むとわずかに膨張し、特に湿度が高くなりやすい革靴のようなものはこの性質によって徐々に足の形に合ったものに変化していきます。

水に弱い

基本的には水に弱いので気をつける必要があります。

水分を含んだとしても革本来の性質には大きく影響しませんが、風合いや光沢が失われる可能性があります。

もし革製品が濡れてしまった場合は早めに水分を取り除き、半乾きの状態で手もみをしてあげると状態が回復します。

また、水分を含んだまま放置すると革が硬化したりカビが生える可能性が高まるので注意が必要です。

色落ち・色移り・変退色に注意が必要

本革の染色堅牢度はほかの素材に比べて低いため、強烈な摩擦などを加わえると色移りや色落ちを起こす場合があります。

しかしながら国内で生産された本革は染色技術の高さによって色移りや色落ちがしにくいという性質があり、生産地によって差があります。

汚れが付着しやすい

スエードなどの起毛素材は汚れが付着しやすい素材です。

取り扱いには十分に注意しましょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は本革についてお伝えしました。

本革は貴重な天然素材であるということに加え、鞣しに多くの手間暇がかかっているため、合皮の何倍もの価格がします。

しかしながら本革にしかない魅力は数知れず。

ぜひあなたも本革の革製品を持ってみませんか?

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