一般的に暑い季節には使いづらいとされる革のバッグ。
“そんな季節でも革を少しでも楽しめるバッグを作りたい”
というデザイナーの気持ちから生まれたのが、このキャンバストートバッグ。
お客様からの強い希望もあって、企画がスタートしました。
それまでキャンバス地を使ったバッグを製作したことがほとんどなかったため、
キャンバス生地選定、強度や耐久性のチェック、革との相性などをすべて1から考えました。
今回は、そんな革とキャンバス地の相性の良さを感じる、sotの「ハトメキャンバストートバッグ」をご紹介します。
そもそもキャンバスとは?
キャンバスとは日本語で帆布(ズック)とも呼ばれます。
キャンバスの素材は主に亜麻の繊維。
複数の素材を組み合わせた混織や綿、合成繊維などの場合もあります。
キャンバス地の使用用途はとても幅広く、このトートバッグをはじめ、スニーカーなどのアパレル商材、油絵用の画材、相撲のまわしにも使用されているんです。
キャンバスの起源は古代エジプト。
日本語で「帆布」と呼ぶように、元々は船の帆として作られました。
また、ミイラを包むための布としても使われていたそうです。
1400年代頃から、油絵用の画材の素材としても使われるようになりました。
国を挙げて美術産業を推進していたルネッサンス時代のイタリアで爆発的に普及し、湿度に強い素材として保管面で便利ということから重宝されました。
キャンバス地は「号」で生地の種類が管理されています。
0号~500号までが存在し、数字が小さくなるにつれて生地が薄くなり高密度で重量の軽い生地になります。
sotのこだわりのキャンバストートバッグ
キャンバス地には日本の名産品を採用。
出典:https://fujikinbai.com/about/
sotが採用したキャンバス地はバッグの名産地である兵庫県豊岡市で作られる富士金梅(フジキンバイ)と呼ばれる綿100%の8号キャンバス地。
8号のキャンバス地は、アパレル製品に多く採用されており、ゴツゴツ感を感じない滑らかな手触りと、生地自体の耐久性と軽さのバランスが非常によいのが特徴です。
使っていくほどに繊維がほぐれ、トートバッグ全体が柔らかくなることで、より使い勝手の良いトートバッグへと変化していきます。
キャンバスに合う革を厳選。
革は日本一の革の産地である、兵庫県姫路市で丁寧にフルタンニンで鞣されたダコタレザーを採用。
このダコタレザーはステアとよばれる生後3~6か月以内に去勢し、生後2年たったオス牛の革。
ステアの特徴でもある重厚さで、非常に耐久性に優れた革となっています。
また、革表面の見た目は非常にシンプルで癖がなく、手触りはサラっとしていながらも、タンニン鞣し革にしか味わえない“シボ感”などの魅力的な表情も楽しんでいただけます。
裏地
キャンバスの弱点は、水分に決して強いものではないということ。
多くの水分を含めば、内部まで水が染みてしまう恐れがあるため、このキャンバストートバッグの内装には撥水性のある甲州織を贅沢に使用しました。
元々傘にも使われるほど丈夫な素材である甲州織は、汚れや摩擦にも強く、製品自体の耐久性をより強いものにしてくれています。
デザインについて
なんといっても目を惹くのがバッグ上部に設けられたハトメ金具とよばれる複数の穴。
これはハンドルの位置を好みで変えられるようにしたデザインで、
ハンドル先端の金具を好みのハトメ金具に連結されることで、服装やご自身の好みによってハンドルの長さを調整することができます。
ハンドルを片方だけ使えばワンショルダーバッグやハンドバッグにも変えることができ、少し遊び心を含ませた仕様となっています。
ハンドルは細く、軽量の革にすることで、トートバッグ全体のラフさを演出。
底は円形で、通称バケツ型とよばれるトートバッグに。
バケツ型バッグの長所である、「ざっくりとしていて、中が見やすい」デザインに仕上げ、荷物の取り出しに余計なストレスを感じない設計です。
キャンバス生地のメンテナンス方法
さて、キャンバス地のバッグは実際にどんなケアをすればよいのでしょうか?
ケアのステップは大きく3つ。
バッグだけでなく、キャンバスシューズなどにも当てはめることができるので、ぜひ覚えておきましょう。
①使用前には防水スプレーを。
キャンバス地は決して雨に強くはありません。
使用前には全体的にまんべんなく防水スプレーを吹きかけてあげると急な雨でも慌てずに済み安心できますね。
②定期的なブラッシングを。
日々のキャンバスのお手入れはブラッシングをしっかりと行っておけば大丈夫と言えます。
生地と生地との間に積もったホコリを掃ってあげましょう。
③汚れてしまったら消しゴムが使える!?
もしもキャンバス地に汚れがついてしまったら、
文具用の消しゴムで汚れのついてしまった該当部分を軽く擦ってあげましょう。
軽い汚れであれば簡単に取り除くことができますよ◎
※力を入れすぎてしまうとキャンバス地が傷んでしまう原因にもなるのでご注意を。
まとめ
いかがでしたでしょうか??
軽くて丈夫なキャンバストートバッグで、夏の暑い日にも革を楽しんでいただけたら幸いです。
sotでは、ご紹介した日本製の富士金梅(フジキンバイ)を使用した「ロゴプリントトートバッグ」も販売しています。
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