PUレザーとは、ポリウレタン樹脂を使った合成皮革のひとつ。
PUは、Polyurethaneの略称であり、布と樹脂からできたフェイクレザーとなります。
本コラムでは、そんなPUレザーの特徴とお手入れ方法をご紹介します。
PUレザーについて
PUレザーは、本来は本革でない素材となりますが、本革に似た見た目をしていることから「PUレザー」と呼ばれています。
名前だけをみれば本革の一種と勘違いしてしまいそうですが、PUレザーは合成皮革の一種であり、基布と呼ばれる布地にポリウレタン樹脂を貼り付けた、本革とは全く異なる性質を持った別素材です。
こういった合成皮革は、フェイクレザーと呼ばれますが、ほとんどの場合はフェイクレザーはPUレザーのことを指しています。
また、よく同じ合成皮革のひとつであるPVCレザーと比較されることが多い素材でもあります。
とにかく軽くて安い!
PUレザーの特徴は、ポリウレタンが持っている性質でもある伸縮性と撥水性にあります。
伸縮性はとても高く、別名:ウレタンゴムとも呼ばれています。
ファッションアイテムに使われることの多いPUレザーは、身近なものではジャケットやバッグ、スマートフォンのカバーなどに使われています。
また、簡単に大量生産ができる素材ということもあり、とにかく安価であることから、私達の身の回りの品の多くに使用されています。
劣化がとても早い
PUレザーは、使用の有無にかかわらず、時間の経過によって急速に劣化していきます。
約数年で加水分解と呼ばれる、表面のポリウレタンが日光・湿度(水分)・摩擦を受けることによって生まれる劣化現象が起こります。
加水分解したPUレザーは、ひび割れや接着剤が露出した状態となり、こういった劣化現象は絶対に防ぐことができないものとされています。
特に、ウレタン結合と水分はとても反応しやすく、わずかな湿度(水分)があるだけでも、たった数か月で加水分解を引き起こす可能性があります。
また、どれだけ直射日光や大きな摩擦を避けたとしても、ポリウレタンは製造される過程ですでに劣化が進行する性質を持つ素材であるため、加水分解は必ず起こってしまいます。
つまり、合成皮革製品は、購入者がどれだけ大切に使用や保管をしたとしても、時間が進むにつれて劣化が必ず起こる素材といえます。
お手入れは必要?
PUレザーは、本革ではありませんので、お手入れは必要ありません。
ただ、もし表面が汚れた場合には、革製品用のクリーニングフォームやレザーソープを使用することができる可能性があります。
また、防水スプレーを吹きかけることで、加水分解の発生を遅らせることができるかもしれません。
万が一、濡れてしまった場合は、すぐに乾いた布を使って優しく水分を拭き取ってあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
約数年で確実に加水分解を起こすPUレザーを使った製品は、残念ながら長持ちさせることはできません。
近年、技術の進化によって、合成皮革はより本革に近い見栄えになっています。
実際に使用されている素材を勘違いしてしまう方も増えています。
革製品を購入する際は、しっかりと素材を確認しましょう。