革製品の中で圧倒的なシェアを占める牛革。
今回は、その特徴や種類をご紹介していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
牛革について
世界に流通している革製品の80%以上を占める牛革。
牛革の読み方は(ぎゅうがわ)、英語では、cow leather(カウレザー)と呼ばれます。
主にアメリカや中国で生産されますが、若い牛革の生産は仔牛の肉を食べる文化のある欧州が盛んとなっています。
牛肉の消費量は世界的に安定しているため、革の生産量や価格も安定しています。
また、革が適度に柔らかく加工がしやすいという特徴を持ちます。
これらが革製品に牛革がよく使われる主な理由です。
牛革の種類
牛革は、年齢・性別・部位によってその性質が大きく異なります。
毛穴の数は生まれた時から増加せず、成長するにつれて皮膚面積と厚さが増していきます。
つまり、牛革は革の毛穴の間隔を見れば、ある程度牛の年齢を推測することが可能となっています。
部位
ショルダー・・・肩
肩は頻繁に筋肉が動く部位ということもあり、表面にシワが多いのが特徴です。
柔軟性を持ちながら強度も高く、馬具などにも使用されています。
特徴であるシワもデザインのひとつとして活用されています。
ベンズ・・・ 背中・腰
革の繊維密度が高く均一であり、厚みがあり耐久性に優れるベンズ。
バッグからベルトまで、様々な革製品によく利用される部位となります。
表面に傷が少ないことや、歪みや伸びなどにも強い特徴もあります。
バット・・・尻
繊維密度がとても高く、厚みがある部位です。
シワの少ない美しい表情が特徴で、牛革のみならず馬革などでも貴重な部位として重宝されています。
ベリー・・・腹・腰
ベリーは革の厚みがない部位。
腹部は繊維密度が低いために伸びやすく他の部位に比べて柔らかさがあります。
強度面は劣りますが安価で加工もしやすいという特徴を持ち、革靴の中敷きなどに利用されています。
ネック・・・ 首
血液の流れをコントロールする頸動脈(けいどうみゃく)を守る重要な部分であるため、革には厚みがあります。
部位面積が小さいため、市場ではあまり出回ることがありません。
革製品においては目立たない内装などに使用されています。
ヘッド・・・頭
人間同様、牛の頭の革も薄くて強度が弱い部分となります。
こちらも通常は市場にはあまり出回りません。
レッグ・・・脚
前脚と後脚で繊維質に違いがあり、後脚の方が繊維密度が高くて丈夫となります。
厚みのあるレッグはバッグのハンドル部分などによく利用されています。
年齢と性別
カーフスキン
生後6か月未満の仔牛の革。
牛革の中でもっとも価値が高いことで知られ、革面積が小さくキメが細かいという特徴があります。
見た目や手触りの良さにも定評があり、ハイブランドの革製品にもよく使われています。
キップスキン
生後6か月から2年未満の牛の革。
カーフスキンに次ぐ高級素材として知られ、革の質が高く、カーフスキンと同じくハイブランドの革製品によく見られます。
ヨーロッパでは「カーフスキン」を一括りにして「キップスキン」と呼ぶことがあります。
カウハイド
出産経験のある、生後2年以上が経過した雌牛の革。
柔軟性があり扱いやすく、供給量と価格がとても安定しています。
代表的な革にはブライドルレザーなどがあります。
出産経験のない雌牛の革は「カルビン」と呼ばれ、カウハイドよりもキメが細かく、肌触りが滑らかな革となっています。
ステアハイド
生後3か月から6か月の間に去勢した、生後2年以上の雄牛の革。
キメがやや粗いものの、厚みがあるためとても丈夫であり、牛革の中で最も流通量が多いという特徴があります。
ブルハイド
生後3年以上の雄牛の革。
キメがかなり粗いものの、ステアハイドよりも厚みがあり丈夫なのが特徴。
用途としてはブーツなどの耐久性が必要な革製品によく使われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は革製品によく使われる牛革についてお話しました。
牛革は部位や年齢の違いによって、その特徴と用途が大きく異なります。
牛革は革製品の中で最も利用されている一般革です。
それぞれの牛革の違いを知ればより革製品を選ぶのが楽しくなります。