日本に古くから伝わる、伝統文様。
ひとつひとつの伝統文様には、あまり知られていない、人々の願いなどが込められています。
この記事では、そんな伝統的な文様のひとつである、立涌文様について解説します。
立涌文様とは?
立涌文様は、伝統的な日本の文様のひとつ。
呼び方は、「たちわく」のほか、「たてわく」「たちわき」などと呼ばれることがあります。
立涌文様は、ふたつの縦線が、波を打つように向かい合っており、規則的に距離が変化しているのが特徴となっています。
この線は、雲気を表しているとされ、「雲気」と「運気」をかけ合わせることで、運気を上げることのできる、縁起のよい文様として知られています。
奈良時代に生まれた
立涌文様は、奈良時代から存在したとされており、元をたどると、公家の階級を表す、有職文様として重用されました。
当時、公家は階級によって、使用できる服装の色・柄が厳格に定められていた時代。
そのような時代において、立涌文様は、幸菱文様・小葵文様・三重襷文様・唐草文様と同じように、身分制の時代に大きな役割を担った、伝統的な文様だったのです。
現在は、縁起のよい文様として、着物の帯をはじめ、能装束、茶道具、磁器によくみられる文様として、愛され続けています。
たくさん種類がある!
立涌文様は、平安時代を迎えたあたりから、いくつかの種類が派生しています。
その代表的なものには、波線の間に雲が描かれた「雲立涌」、波を描いた「波立涌」、霧を描いた「霧立涌」などがあります。
上記のほかにも、花を描いた「花立涌」、菊を描いた「菊立涌」などがあり、とくに「菊立涌」は、花嫁衣装の白無垢の掛下帯などによく取り入れられています。
また、縦の波線の部分を変化させたものも存在しています。
波線が途切れている「破れ立涌」をはじめ、藤や竹の茎や蔓を線に見立てた「竹立涌」・「藤立涌」などがよく知られています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
平安時代に生まれたとされる、立涌文様。
いくつかの種類があるこの文様は、見比べるだけでも楽しめる、伝統的な文様のひとつです。
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