現在市場に流通している皮革素材のほとんどは、“タンナー”と呼ばれる、鞣し革業者によって作られています。

この記事では、イタリア・トスカーナの「ブレターニャ社」をご紹介します。

ブレターニャ社

ブレターニャ社の基本情報は以下の通りです。

  • 創業年・・・1961年
  • 創業者・・・ジョヴァンニ・テスティ氏
  • 創業国・・・イタリア
  • ホームページ・・・https://www.labretagna.it

歴史

イタリア・トスカーナ州、サンタクローチェにある街、ポンテ・ア・エゴラ。

トスカーナ州の丘陵が望める、この小さな街に創業されたのが、ブレターニャ社です。

イタリアの皮革業界を志した、ジョヴァンニ・テスティ氏によって、1954年に創業されました。

ジョヴァンニ氏は、皮革の鞣し技術を習得するため、革靴用の素材を作る工場で下積みから、そのキャリアをスタートさせます。

約7年間の下積みを経て、植物タンニン鞣し革を専門的に作る、ブレターニャ社を創業。

創業当時の街には、イタリアによくある“家族経営規模”のタンナーがいくつもあり、とても情熱的な事業家がいたそうです。

ただ、ポンテ・ア・エゴラだけでなく、イタリア各地の皮革産業が盛んな街は、モード(流行)の急速な変化に合わせ、「植物タンニン鞣し革」から「クロム鞣し革」へ、その需給が移ることによる、経営方針の転換期を間もなく迎えることになります。

イタリア・トスカーナ州の植物タンニン鞣し革を手がける人にとって、大変難しい判断が求められるなか、ブレターニャ社は、「高品質の植物タンニン鞣し革だけを作り続ける」という、創業当時からの“信念”を貫いていくことを決断するのでした。

その当時の決断を、いま“英断”といえるのは、ブレターニャ社が植物タンニン鞣し革を深く愛し、一生懸命目の前の仕事に取り組んだからなのでしょう。

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特徴

ブレターニャ社の正式名称は、「Conceria la Bretagna」。

「Conceria」は、“鞣し工場”、「Bretagna」は、フランス北西部の“ブルターニュ地方”を意味しています。

ブレターニャ社の社名に、フランスの地方名が付けられているのは、ブルターニュ地方の良質な原皮を仕入れていることが理由。

また、ロゴマークには、風見鶏が描かれており、トリコロールカラーが採用されているほど、ブルターニュ地方と深い繋がりがあるのです。

バケッタ製法を用いて

ブレターニャ社は、ショルダー部分の鞣しを主に行っています。

また、トスカーナ州の伝統的な鞣し製法である、バゲッタ製法を継承しており、ゆっくりと時間をかけて植物タンニン鞣し革が作られています。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

フランス・ブルターニュ地方の良質な原皮を使用、高品質な植物タンニン鞣し革を提供している、ブレターニャ社。

創業者に加えて、新しい家族を仲間に加えた同社は、積極的に海外輸出をするなど、その販路を拡大し続けています。

ただ、「いくら販売が順調だからといって、いままでの努力の積み重ねを壊すようなものは作らない。」と、創業者は発言します。

sot(ソット)では、ブレターニャ社の革を使った製品を取り扱っております。

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