PVCレザーとは、ポリ塩化ビニル樹脂を使った合成皮革のひとつ。

PVCは、Polyvinyl Chlorideの略称であり、ビニールからできたフェイクレザーとなります。

本コラムでは、そんなPVCレザーの特徴とお手入れ方法をご紹介します。

PVCレザーについて

PVCレザーは、本来は本革でない素材となりますが、本革に似た見た目をしていることから「PVCレザー」と呼ばれています。

名前だけをみれば本革の一種と勘違いしてしまいそうですが、PVCレザーは合成皮革の一種であり、ポリ塩化ビニルを使った、本革とは全く異なる性質を持った別素材です。

また、よく同じ合成皮革のひとつであるPUレザーと比較されることが多い素材でもあります。

身の回りに溢れるポリ塩化ビニル

PVC(ポリ塩化ビニル)は、硬質PVCと軟質PVCに分類されます。

硬質PVCは、主にクレジットカードや水道管に使用されており、軟質PVCは幼児用のおもちゃや消しゴム、そして合成皮革製品によく使われています。

PVCは大量生産ができることから、とても安価であり、一定の耐久性と耐水性を持ち合わせた使い勝手のよい素材として、現代の生活に欠かすことのできないものとなっています。

また、合成皮革として使われる場合には、ハイブランドのバッグや財布によく見ることができます。

劣化がはやい

PVCレザーは、劣化による変色がかなり早い段階で起こります。

PVCレザーは柔軟性が低いため、曲げ伸ばしにめっぽう弱く、過度に屈伸させることで表面のひび割れを引き起こす可能性があります。

また、熱や日光にも弱く、約70度以上の熱を加えると表面の樹脂が溶け出します。

環境汚染や健康被害が懸念されている

PVCレザーはビニール素材となるため、他のビニール製品と同様に、製造時に石油や添加剤が使われています。

その中にはガンを誘発するとされているビスフェノールAやフタル酸も含まれています。

これらは即時に人体に影響を及ぼす成分ではありませんが、すでに環境問題に厳しい欧州の国々では、幼児用玩具にフタル酸が含まれた素材の使用を規制する動きが活発になっています。

PVCレザーは、環境問題や人体への影響がつねに懸念されている素材であるため、特に小さなお子様をお持ちの方は、子育ての知識として持っておくとよいでしょう。

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お手入れは必要?

PVCレザーは、本革ではありませんので、お手入れは必要ありません。

ただ、かるく汚れたり、シミができることもあるようなので、革製品用のクリーニングフォームやレザーソープを使用することができでしょう。

表面にできる軽度の汚れは、レザークリーナーや中性洗剤液で落とすことができます。

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実は革はとてもエコな素材。ブランドのサステナビリティレポート。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

近年、合成皮革のプリント加工技術の向上によって、PVCレザーと本革の見た目はとてもわかりづらいものとなってきました。

実際に、使用されている素材を勘違いしてしまう方も増えています。

革製品を購入する際は、しっかりと素材を確認しましょう。

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