「その革の持つ個性」の一言では表せないほどの魅力を持つ革の“シボ”

革製品をお好きな方であれば、お店で一度は目にしたことがあるかもしれませんね。

今回はそんな革のシボの製法や魅力をお伝えします。

革の「シボ」とは

まず初めに、シボとはどんなものなかのか。をご紹介します。

上の写真の革を見てみてください。
見ていただくと表面上に無数の凹凸があるのがわかると思います。

この凹凸状の皺を「シボ」と呼びます。

スムースな手触りの革とは一味違う、とても豊かな表情と手触りが人気で、
お好みがわかれることもありますが、革愛好家をはじめ多くの人々が魅了される革の風合いです。

シボを生み出す2種類の製法

シボ付きの革の多くは、
“回転する大きなドラムのなかで革の繊維をもみほぐす「空打ち」
または、“薬品を使って革の表面にシボを作り出す「シュリンク加工」”のどちらかの製法によって作られています。

空打ち

空打ちはひたすら何も中に入っていない大きなドラム樽の中で革を回転をさせ、
革をじっくりとほぐしながら自然な形でシボを生み出す製法です。

分かりやすい例として、シャツを洗濯機で洗濯をすると自然に皺がつきますよね。
それと同じ感じで革をドラム内で叩きつけることでシボを作っています。

空打ちを終えた革は、全体がよくほぐされており、
適度な柔らかさと自然な風合いの残るシボが特徴の革ができあがります。

ただ、空打ちは作業時間の長さによって革の仕上がりが変わったり、
シボの大きさが均一にならないことがあるので、職人にとっても気の抜けない製法となります。

シュリンク加工

一方、シュリンク加工は薬品を使って革に皺を付けていきます。

加工には収縮剤と呼ばれる薬剤を使い、革全体をキュッと縮ませます。

シュリンク加工を施した革は空打ちをした革と違い、
シボの大きさがほぼ均等になり、見た目の統一性が魅力の革に生まれ変わります。

また、シボの目も細かく、大きなシボに抵抗のある方でもシボの雰囲気を気軽に楽しめるでしょう。

ひとつとして同じものはない、個性溢れるシボの表情

シボの大きさや目の細かさは革の中の繊維の密度によって変わり、
革の部位によっては表情が激しく出すぎるという問題も生じるほどです。

基本的に、革内部の繊維密度が薄い首から肩にかけての部位には大きなシボが生まれ、
背中や腰回りの部位は小さく目の細かいシボが生まれます。

これらは空打ちされた革を見ればよく分かりますが、
世の中にひとつとして同じ配置や大きさでシボが付いた革はありません。

sot(ソット)でもご購入の際には在庫を比べていただき、
お好きな表情を探していただくことを楽しんでいただいています。

シボを充分に楽しめるsot(ソット)の商品シリーズ

sot(ソット)にはご紹介した空打ちを行った革、
そしてシュリンク加工を施した革、どちらの革も扱っています。

空打ちならではの風合いが魅力。ミネルバボックスレザーシリーズ

空打ちを行った革の代表格ともいえるミネルバボックスレザー。

イタリア・トスカーナで昔からの伝統的な製法を使って作られています。

シボの凹凸部分は経年変化のスピードが異なり、見事な色のコントラストを生む経年変化を体感できるでしょう。

使うほどに表面のシボから言葉では表現のできない「あたたかみ」を感じるこのミネルバボックスレザーは、
長きにわたって世界中のレザーファンを魅了し続けています。

ミネルバボックスレザーシリーズ(minerva box)。手触りの良い人気レザー

シュリンク加工で上品さを感じるシボ。SHEDレザーシリーズ

一方「シュリンク加工」を施し、
整った表面で高級感のある「SHEDレザー」もsot(ソット)の人気シリーズです。

こちらにはシュリンク加工ならではの目の細かいシボが特徴。

ほのかに感じるシボの柔らかみに加え、
革には撥水加工も施されており、機能性も抜群。

急な雨にも十分に対応できるビジネスマンに向けたシリーズです。

SHEDレザーシリーズ(shed)。雨の日でも安心の撥水加工

これらの製品をつくるときには、職人が革のシボのバランスを見て確認し、
製品になった時の仕上がりのバランスを考えて丁寧に裁断・縫製しています。

まとめ

いかがでしたか?

今回は革のシボについて詳しく見ていきました。

1つの加工を行うことで、また違った革に生まれ変わる面白さ。

シボのある革ならではの経年変化も魅力的です。

ぜひ店頭でも実際にご紹介した商品をご覧ください。

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