皆さんは革靴やお財布などの補色ケアはしていますか??
革の補色とは、革表面の傷を目立たなくするケアのこと。
あなたの愛用品にしっかりと補色をしてあげれば、あなたの革製品の見栄えが一層よくなることは間違いありません。
気になる革の傷やスレ痕に。
今回は、革の補色をするべき理由。
そして、補色用クリームの使い方などをご紹介します。
革製品の補色について
補色をする意味はあるの?
まず最初に、革の補色の必要性について説明します。
革製品、特にsot(ソット)が扱うような「経年変化により革の色が変わる革」、つまりタンニン鞣し革には必ずお手入れが付き物となります。
こういったタンニン鞣し革は、素材の良さを最大に活かしたものが故に、キズなどに決して強くはありません。
そして、どれだけ長く丁寧にこのタンニン鞣し革の製品を愛用したとしても、革の表面には小さな傷やスレ痕がついてしまうものです。
そんな❝傷やスレ痕が気になる部分に補色用クリームを使って色を補い、目立たなくする❞
これが革の補色です。
「補色」をすることにより、革の傷やスレ痕が見事に目立たなくなり、製品の見栄えを一気に綺麗なものに変えることができるのです。
補色用クリームはどんなものを選べばいい?
補色用クリームには様々な色のクリームが各メーカーから販売されています。
クリームはほとんどが乳化性で、革をしっとりとさせる効果のある蝋(ロウ)や、繊維に馴染みやすい油脂が成分として含まれており、革の内部にまで色を浸透させることができるクリームとなっています。
ただクリーム自体には色を大きく変える着色力はなく、あくまで「色を補う補色」が目的。
たまに「どんな革の色でも合う、無色のクリーム1つがあればい充分だ。」という方がいらっしゃいますが、無色のクリームには補色力がほぼないので、むやみに無色のクリームを使うことにあまり意味はありません。
なので、補色をする際には、捕食したい革製品の色味にできるだけ近い色のクリームを必ず選んで使うようにしましょう。
おすすめの補色用クリーム
補色用クリームは、国内のメーカーからも発売されていますが、普段目にすることの多い補色用クリームは、イギリスやフランスなどの欧州のメーカーのものがほとんどです。
これらの欧州のメーカーは豊富な知識と伝統的な製法を用いて、意外なことに、機械だけでなく熟練の職人の手によって丁寧にクリームが製造されています。
クリームの色作りには配合基準があるものの、基本的には手作業による作業が多い為、製造された時々によって微妙に色が異なる場合もあるそうです。
我々からすると少し驚きですね。
近年ではドイツのメーカーでは色調を統一できるように、カラーを数値化してチェックするといった最新の機械の導入も進んでいるそうですよ。
欧州メーカーのクリームはややお値段が高くなりますが、しっかりと補色をすることができるので、まずは知名度のあるメーカーのものを選ぶと良いでしょう。
補色の手順
ではここからは、簡単に補色ケアの手順をご紹介していきます。
補色ケアに必要なものは以下の3つです。
- ブラシ(馬毛素材がおすすめ)
- クロス
- 補色クリーム
1. ブラッシングで革を綺麗に。
ブラッシングは普段の革製品のお手入れにも欠かせないもの。
まずは革表面の汚れをしっかりとブラッシングで取り除きましょう。
この時に力を入れすぎてしまうと、毛が革を傷つけてしまうこともあるので、ゆっくりと丁寧に行うように心がけましょう。
2. 補色用クリームを塗る。
表面の汚れを取り除けたら、補色クリームを塗っていきましょう。
まずは手触りの柔らかい綿製の布に、クリームを少量つけます。
あまり多くのクリームをつけてしまうと、周りのものに色がついてしまったりする恐れがあるため、少量で足りなければ、再度少量のクリームをつけるといった手順で行っていきます。
クリームの塗りずらい細かな部分には、綿棒などを使うととても便利です。
3. しっかりと乾燥させる。
クリームを塗り終えたら約10分~20分ほど乾燥させます。
4. 再度ブラッシングをして色を馴染ませる。
乾燥が終われば最後の仕上げに入ります。
補色した部分をよく見ると、周りの部分と比べて光沢感はありません。
しかしご安心を。
クリームを塗った部分をもう一度しっかりとブラッシングをしてあげると色がより革に馴染み、徐々に光沢感が生まれてきれいに傷やスレ痕がなくなります。
より光沢を出したい場合には、デリケートクリームを塗ればさらに綺麗な仕上がりに。
これにて補色ケアは完了です。
写真で比べてみると、色が薄かった部分に色が戻り、細かなスレ痕もなくなりました。
「補色が初めてでまだまだ不安だ。。」という方は、一度目立たない部分や不要な革製品でテストをしてから行ってみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
傷を目立たせなくする革の補色は、いわば「お肌を綺麗に見せるファンデーション」のような役割。
大切な革製品のメイクアップに、ぜひ一度補色ケアをしてみてください。