日本に古くから伝わる、伝統文様。
ひとつひとつの伝統文様には、あまり知られていない、人々の願いなどが込められています。
この記事では、そんな伝統的な文様のひとつである、亀甲文様について解説します。
亀甲文様とは?
亀甲文様は、伝統的な日本の文様のひとつ。
読み方は、「きっこうもんよう」と呼ばれています。
亀甲文様の基本は、正六角形が規則的に配置されており、この正六角形は、長寿吉兆の象徴である、亀の甲羅が由来となっています。
上記のような理由から、亀甲文様はとても縁起がよく、日本の吉祥文様のひとつに数えられています。
飛鳥時代に日本にやってきた
亀甲文様は、飛鳥時代から奈良時代にかけて、中国から日本に伝来しました。
当時の中国は、亀の甲羅を使って、政策決定や意思決定を行う、“亀ト(きぼく)”と呼ばれる占いが広く行われていました。
亀トは、長時間にわたって亀の甲羅を焼いて、甲羅の表面に入ったひび割れの方向、形状を見て、物事の吉凶を判断するものです。
上記のような理由から、亀の甲羅を模した亀甲文様は、中国国内においては、とても神聖なものとして扱われていました。
一般庶民は見ることも許されなかった
亀甲文様は日本に伝来すると、中国国内同様に“神聖な文様”として扱われることになります。
身分制度が厳格化されると、亀甲文様は貴族のみが使用を許された文様となり、一般庶民が見ることは決してありませんでした。
また、平安時代以降には、調度品に幅広く使われはじめ、着物・帯・陶器・金彩など、亀甲文様が目を引く、数々の華やかな品が誕生しています。
武士に愛されるようになった理由
亀甲文様に含まれている、正六角。
じつは、正六角は自然界のなかで、もっとも安定性のある形といわれています。
私たちの周りにあるものには、蜂の巣などがあるでしょう。
正六角の集合体は、“ハニカム構造”と呼ばれており、耐震性が重要視される建築物や建築用資材によく採用されています。
上記のような理由から、亀甲文様は“強い力”を意味するようになり、鎌倉時代にかけては、武士の間で愛されたといいます。
たくさんの種類がある!
亀甲文様は、平安時代を迎えたあたりから、いくつかの種類が派生しています。
その代表的なものには、正六角形を繋ぎ合わせた「亀甲繋ぎ」、正六角形のなかに花弁が描かれた「亀甲花菱」、正六角形を三つ組み合わせた「毘沙門亀甲」などがあります。
また、毘沙門亀甲が二重になっている「子持ち亀甲」など、数多くの種類があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「鶴は千年、亀は万年」という言葉が示すように、亀と深い関係のある亀甲文様は、長寿吉兆をもたらすとされる、縁起のよい文様として親しまれています。
気になった方は、ぜひ亀甲文様をあしらった、sot(ソット)の製品をお試しください。
リンク:オンラインストア / 製品一覧