現在市場に流通している皮革素材のほとんどは、“タンナー”と呼ばれる、鞣し革業者によって作られています。

この記事では、イタリア・トスカーナの「ヴィルジリオ社」をご紹介します。

ヴィルジリオ社

歴史

トスカーナ州ピサ県、ポンテ・ア・エゴラ地区にて創業した、ヴィルジリオ社。

創業者のシモーネ・ニエリ氏は、トスカーナ州の伝統的な鞣し製法を用いた植物タンニン鞣し革を作り続けています。

イタリア植物タンニンなめし革協会の役割とは。イタリアの伝統を守り続けて。

特徴

原皮を厳選

ヴィルジリオ社が採用している原皮のほとんどは、ヨーロッパ産の牛革。

そのなかでも、フランス、ノルウェー、スイスなどのような、大変厳しい寒さがやってくる国々で育った牛の皮がよく使われています。

気温の低い土地で育った牛の皮は、しっかりとした厚みと、繊維密度がとても高いという特徴があります。

ヴィルジリオ社は、これら原皮の選定を徹底していることで知られており、同社独自の選定基準に見合った、高品質の原皮が使われているのです。

大きな傷のない原皮だけを使うことで、そのままの素材のよさを活かした革作りができるのです。

また、アニリンベースの仕上げにすることで、本来革が持っている表情を消さず、あくまでも自然的な風合いにしているのも、ヴィルジリオ社の特徴といえるでしょう。

スローバスタンニン

ヴィルジリオ社では、更なる付加価値を付けるため、トスカーナ州の伝統的な鞣し製法である、スローバスタンニン製法を採用しています。

スローバスタンニン製法とは、タンニン液をたっぷり入れた槽のなかに、長期間原皮を浸しておくこと。

ゆっくりと時間をかけて、タンニン液に原皮を浸していくことで、余計な傷がつかず、タンニンの効果を得た、綺麗な仕上りの革に生まれ変わるのです。

スローバスタンニン製法は、一般的な植物タンニン鞣し製法と比べても、約数倍となる時間と費用が掛かるとされ、かなり珍しい製法となっています。

“皮”から“革“に変化する瞬間。鞣し(なめし)について解説。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ヴィルジリオ社は、スローバスタンニン製法と呼ばれる、伝統的な鞣し製法に挑戦しています。

sot(ソット)では、ヴィルジリオ社の革を使った製品を取り扱っております。

気になった方は、ぜひ各店舗をご利用ください。

リンク:オンラインストア

あなたは知ってる?世界中で愛され続ける有名タンナー。