革製品に多く使われている本革だけでなく、加工される前の”皮”には床革(とこがわ)という部分もあります。今回はそんな床革の特徴や、手入れ方法や経年変化などの観点から本革との違いをご紹介します。これを知っておくと革製品の選び方も変わってくるはずです!

床革は皮の下層部分で本革は表層部分

実は革製品ができる前の原料である”皮”には層があり、表皮が本革(銀面と呼ばれることもあります)で下層部分が床革(とこがわ)と呼ばれています。床革自体の肌触りはザラザラとしていて毛羽立ちやすく、耐久性や耐水性は高くないので、そのまま財布やバッグなどの製品に使われることはあまりありません。

床革=スプリットレザーではない

床革と一緒にスプリットレザーという単語も耳にすることがあるかもしれません。先述のように床革そのものは強度に欠ける素材なので、床革にポリウレタンなどの樹脂を貼って頑丈に加工して製品化します。このように加工されたものを「スプリットレザー」と呼ばれています。

本革とはなにか。合皮(合成皮革)との違いなどをご説明

床革の特徴を本革と比較

ここからは革製品選びにも役立つ、床革を加工したスプリットレザーと本革との違いを紹介していきます。大きく下記の3つが挙げられます。

  1. 経年変化を起こしにくい
  2. 撥水性があるアイテムが多い
  3. 本革と比べて安価で手に入る

【1】本革特有の経年変化を起こしにくい

スプリットレザーは樹脂加工を施しているため、オイルを塗り込んでケアをしたり使い込んだりしても、本革のような独特な艶が出にくい傾向があります。
深みのある変化は起こらないものの、床革を使用したスウェードやベロアなどの場合は使うほどに手に馴染んでくる傾向があります。

【2】雨の日でも気にせずに使える撥水性

2つ目の特徴も樹脂加工によるものですが、床革をコーティングすることで撥水性や頑丈さが強化されて日常使いしやすい点が特徴です。一般的な本革と比べたときの撥水性の高さなので、事前に防水スプレーを吹きかけたり頻繁にお手入れをしている方が綺麗な状態で保たれます。

【3】採取量が多いため床革の方が安価で作れる

本革は革の表面部分のみですが、床革は表皮以外の部分。そのため、1枚の皮からとれる量が多く比較的安い値段で購入することができます。実際に手に取ってみたり、信頼できる革製品のお店で購入する時には本革かそうではないか分かりますが、注意すべきはネットで購入するとき。

“本革”と記載があってもあまりにも安いものは、床革をもとにしたものもあるので本革がお目当ての際は事前に確認しておきましょう。

革の経年変化(エイジング)を知る。ナチュラルレザーにしかない魅力

 

床革の魅力は“スウェード”にすると発揮される

これまで革製品として流通している床革(スプリットレザー)と本革についてご紹介してきましたが、床革の魅力が最大限活きた商品もあります。毛羽立っていてざらざらとした手触り、そしてケアも大変な一方、床革ならではの素朴さを生かした素材が「スウェード」です。

スウェードとは床革をヤスリを使って毛羽立ちを滑らかに整えたもので、バッグや靴の素材に利用されることもあります。革の高級感に加えてカジュアルさも兼ね備えた印象を与えてくれます。またレザークラフト体験教室に用いられるケースも多く、しおりや小物置きなどにリメイクができます。

床革(スウェード)のお手入れ方法は本革と少し異なる

小物やインテリア系はこまめにケアする必要はありませんが、バッグや靴にスウェードが使われている場合はお手入れが必要になります。スウェードはスプリットレザーとは異なり樹脂加工がされていないものも多いので、本革同様に水や汚れへの耐久性は高くありません。

スウェードアイテムのお手入れ方法

スウェードアイテムにはブラッシングをしてケアをしましょう!本革には毛のブラシを使うのが一般的ですが、スウェードアイテムには毛ブラシに加えてゴムブラシも重要な役割を果たします。

  1. 【毛ブラシ】表面の隙間に入り込んだホコリやごみを払い落とす
    • 同時に毛並みを整えておくのがポイント
  2. 【ゴムブラシ】深層部の汚れを擦るよう落とす
    • 寝ている毛並みを起こすようにしましょう
  3. 【毛ブラシ】毛並みを整えてお手入れ完了

1ヶ月に1回くらいを目安に防水スプレーを吹きかけておくことで、水や汚れの一部が素材に入り込みにくくなり、お手入れも簡単になります。

床革には本革とは異なる魅力も!

今回紹介したように”皮”には革製品に多く使われている本革の他に、床革もあります。自宅でのケアが重要で製品としてあまり頻繁に目にすることはないかもしれませんが、インテリアとして飾って部屋のアクセントにしたり、スウェード製品を通して床革の魅力を体験してみたりと使い方はさまざまです!

知ると楽しい!革の表面に見られる様々な表情。