
その見た目は、白い霧がかかった海のよう。
ワックス仕上げを施した特別な革は、ゆっくりと時間をかけて、深い霧が晴れたかのように、艶やかな色に変化していきます。
この記事では、ナッパネビアレザーについて解説します。
ナッパネビアレザーとは?
イタリアの伝統的な製法を採用

ナッパネビアレザーは、イタリア・トスカーナ州を代表する老舗タンナー「バダラッシカルロ社」が手がける革のひとつ。
さらに、トスカーナ州に脈々と受け継がれる伝統的な鞣し製法、“バケッタ製法”を用いて作られている、植物タンニン鞣し革となっています。
バケッタ製法は、通常の植物タンニン鞣しを施したのち、家畜用の牛の脛骨を煮立て抽出をした、高純度の牛脚油を時間をかけて浸透させていくこと。
繊維層に至るまで油を浸透させるためには、かなりの手間暇をかけなければなりませんが、一度浸透させれば、内部の油分を失いづらくさせることができます。
バダラッシカルロ社は、数世紀にわたり受け継がれてきたこの伝統的な鞣し製法を見事現代に蘇らせたことでよく知られています。
また、レザーの原皮は、フランス産の雌牛の肩部分となっています。
“霧”という意味を持つ革
ナッパネビアレザーの「ナッパ」は、イタリア語で“薄手”という意味をもち、「ネビア」は、“霧”を意味します。
白い霧が薄くかかっているような表情は、ワックス仕上げによるもの。
また、ワックス仕上げによって、ナッパネビアレザーは油分を豊富に含んでいる革となっているため、お手入れがしやすいという特徴もあります。
“シボ感”による豊かな手触り
回転式ドラムに原皮を入れて、ゆっくり時間をかけて回転をさせることで、凹凸感のある皺が現れます。
この皺は“シボ”と呼ばれ、自然的な表情として人気があります。
ナッパネビアレザーのシボについては、“小さく浅い”といえるでしょう。
シボのある革は、その温もりのある手触りと、ナチュラルな見た目が魅力。
また、ショルダー部分の特徴のひとつである、トラなどの表情を見ることができます。
経年変化を味わおう!
ナッパネビアレザーは、植物タンニン鞣し革であるため、経年変化を味わうことができます。
数年間使い込むことで、美しい色艶の変化を楽しむことができます。
ワックスが溶けていくと、深みのある色に次第に変わり、光沢感が現れます。
また、タンニンの優しい香りを楽しむことができます。
お手入れについて

植物タンニン鞣し革などの油分を含む革には、お手入れが欠かせません。
お手入れをすることによって、綺麗な状態を保つことができるほか、乾燥や色落ちといったさまざまな問題を防ぐことができます。
経年変化による色艶の変化が見られるまでは、水分の付着、乾燥や摩擦に注意してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ワックス仕上げによる、一風変わった表情を持つ、ナッパネビアレザー。
白い霧が晴れた先には、美しい景色が広がっています。
sot(ソット)では、ナッパネビアレザーを使用した革製品を販売しております。
気になった方は、ぜひ各店舗をご利用ください。
リンク:オンラインストア
