大切な革靴を長く愛用するためには、日々のお手入れが欠かせません。
やや難しいと思われがちな革靴のお手入れは、手順やコツを覚えれば、初心者の方でも短時間で行うことができます。
本コラムでは、初めて革靴を履くという方でも簡単に理解していただけるよう、必ず行うべきお手入れ方法をご紹介します。
ぜひお時間がある際にお試しください。
お手入れ前に確認しよう!
なぜできる人の革靴はいつもきれいなのか
よく他人から常に見られているものの代表として名前の挙がる革靴。
革靴は仕事場で使用することから、身だしなみがなっているかどうかを確認する対象になりやすいものです。
特に相手の服装に厳しいとされる日本は、本屋に行けば『なぜ一流の人々は革靴にこだわるのか』といったタイトルの書籍を簡単に見つけることができるほど。
ただ、これは決して過大なキャッチコピーというわけではなく、海外のホテルでは、客の足元を確認して格付け(値踏み)をする習慣があります。
また、訪れた営業マンが挨拶する時に、さっと革靴の状態を確認して、相手を評価する企業も沢山存在します。
上記のような現状から、その人がきれいな革靴を履いているかどうかによって、周囲からの評価と印象は大きく変わります。
あなたの人間性を良くも悪くも表しているのが革靴というもの。
お手入れを欠かすことないように日々気を付けることが、なによりも大切なのです。
新品からお手入れは必要になる!
お手入れは、新品の状態でも必要になります。
革製品にとって乾燥は大敵となり、いくら購入した革靴が新しくきれいな状態でも、完全に乾燥を防ぐことはできません。
お手入れによる保湿をせず、そのまま乾燥した状態で履き続けてしまうと、ひび割れが起きたり、色落ちが激しくなる恐れがあります。
お手入れの頻度は?
革靴のお手入れは、できれば毎日行うようにしましょう。
帰宅したら玄関にてブラッシングを行い、表面の埃や塵、砂や泥を落すようにしてください。
レザークリームなどを使ったやや本格的なお手入れは、1週間~2週間に1度を目安に行うようにするとよいでしょう。
メンテナンス用品はどこで購入できる?
自宅にメンテナンス用品がないという場合には、100均で販売しているような価格の安いものを使うこともできます。
ただ、使い続けると逆に革を痛めてしまったり、お手入れをしても効果を感じられないことがよくあります。
メンテナンス用品の質はお手入れの質を左右するため、お手入れをきちんとしたいという方は、メンテナンス用品をあらかじめ専門店などで揃えておくとよいでしょう。
お手入れ方法をご紹介
日々のお手入れに必要な時間はたったの5分。
まずは大まかな流れを覚えて、習慣にしてみましょう。
また、数週間に一度はより丁寧なお手入れをすることをおすすめします。
ブラッシングで表面の汚れを落とそう!
たった一日履いただけでも、革靴には細かな埃と汚れが付着します。
そのまま放置を続けると、わずかだった汚れは次第に蓄積して、いつの間にか厚い汚れの層になります。
この層は硬化すると除去することが難しくなり、カビが発生する原因になることもあります。
上記のような状態を避けるために行うのが、馬毛ブラシによるブラッシング。
ブラッシングをする場合は、換気のできる屋外を選び、できるだけ毎日行うとよいでしょう。
また、飾りや金具のある部分は汚れが蓄積しやすいため、より重点的にブラッシングを行います。
馬毛ブラシを使って、表面の汚れはできるだけ毎日取り除くとよいでしょう。
注意点
ブラッシングをする際には、必ずシューツリーを入れてください。
過度に力を入れすぎると表面に傷をつけてしまう恐れがあるため、ブラッシングは撫でるように優しく行いましょう。
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使用前には防水スプレーを!
お手入れの仕上げには、必ず防水スプレーを吹きかけます。
約20cmほど離れた位置から、革靴が軽く湿る程度吹きかければ、水分の浸透を防ぐことができるほか、小さな汚れの付着を防ぐ効果もあります。
ただ、防水スプレーの効果は数日で切れてしまうため、一週間に最低でも数回は塗布してあげましょう。
注意点
防水スプレーを塗布する場合は、距離が近すぎるとシミになる場合があるため、十分な間隔を取るように心がけましょう。
シューツリーを入れてから保管!
保管時には必ずシューツリーを入れて、型崩れを予防しましょう。
シューツリーとても重要なアイテムであり、ソール部分の反り返しなどを防いでくれる効果があります。
特に木製のシューツリーには除湿効果もあるので、カビ予防にも役立ちます。
さらに湿度が高い季節には、乾燥剤や新聞紙を併せて使い、湿気を吸収させるとより効果的です。
注意点
シューツリーは、サイズや形に合ったものを使用しましょう。
数週間に一度はより丁寧なお手入れを!
日々行うべきお手入れに加えて、より本格的なお手入れをしましょう。
クリーナーやクリームを使えば、細かな傷を目立たなくできたり、適切な栄養補給をしてあげることができます。
クリーナーを使ってみよう!
クリームを塗布する前には、前回塗布したクリームの塗膜を除去してあげることが大切です。
上記によってクリームがより浸透しやすくなり、さらには通気性が確保されることによってカビの発生を防ぐことができます。
クリーナーはポリッシングクロスにとり、軽く馴染ませるように全体に塗り込みます。
ブラシングだけでは取り除けない、頑固な汚れなどがあれば積極的にクリーナーを使用するとよいでしょう。
クリームで光沢を出そう!
クリーム(シュークリーム)を、ブラシやポリッシングクロスを使って塗り込みます。
塗布した部分が光沢のないマットな状態になったら数分間おいて、その後ブラシを使ってクリームを馴染ませながら、余分なクリームを取り除いていきます。
たったこれだけで光沢を出すことができますが、仕上げにポリッシングクロスを使って磨いてあげると、さらに美しい光沢を出すことができます。
注意点
ストッキングを使ったポリッシングは、革靴を傷つけてしまうため使用は控えましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ほかの革製品と違い、周りからの視線が集まりやすい革靴。
日々のお手入れを欠かさずに行い、常に清潔な状態に保つことは、もはや社会人としてのマナーとも言えるかもしれません。
また、数週間に一度を目安に、クリーナーやクリームを使用したより丁寧なお手入れをすると、より革靴を長持ちさせることができます。
※本コラムのお手入れ方法は、使用されている素材によって効果に違いがありますので、予めご了承ください。