福岡県を代表する、伝統工芸品のひとつ「博多織」。

その丈夫な織物は、着物文化を支えてきただけでなく、いまなお世代を超えて愛され続けています。

この記事では、そんな博多織について解説します。

博多織とは?

福岡県特産の博多織は、練絹(ねりぎぬ)とも呼ばれています。

経糸(たていと)を、“細い糸”で密度を高く、緯糸(よこいと)は、“太い糸”を織り込むことで「横畝(よこうね)」を表しています。

花菱、華皿(はなざら)、独鈷(どっこ)などといった柄模様がよく知られており、ネクタイ、テーブルクロスなどにも使われています。

また、耐用性のある博多織を使った着物用の帯は「博多帯」と呼ばれ、やや質量があるものの、着物の締め心地がとてもよく、日本の着物文化を長らく支えてきました。

紆余曲折のある歴史

献上品として採用された

その起源は、鎌倉期に中国(宋)に渡った、たった一人の若い商人が、現地の高度な織物に関する技法を持ち帰り、技術進化をさせたことによるものだとされています。

以降、相撲力士の“まわし”によく使われるようになり、圧倒的な支持を得るまでになりました。

江戸期になると、福岡藩の初代藩主である黒田長政が、幕府への献上品に採用。

献上品に使用されていた当時の柄は、のちに「献上柄」という代表的な柄となりました。

急速な変化が訪れる

しばらくの間は、幕府御用達の高級織物として、非常に格式高いものとして扱われていた、博多織。

しかしながら、幕府が倒れると、すぐに一般庶民にも普及しはじめます。

ただ、それも束の間、急激な服装の近代化によって、着物の需要が激減、ひどく流通量が落ち込みました。

そういった影響を受けてか、ヨーロッパの最新の織機「ジャガード機」 を積極的に導入、さらなる技術革新を目標に取り組みます。

その結果、平織物の商品幅が広がり、需要の拡大に成功したのでした。

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“琥珀織”

「琥珀織(こはくおり)」は、“博多織の原点”ともいわれる織物。

その原材料となるのは、熟練の職人が厳選した、光り輝く絹。

その表面には、約6000~7000本にのぼる経糸に、緯糸をつよく織り込むことによって生まれる、美しい柄と凹凸を見ることができます。

また、光の角度によって見え方が変わる、“独鈷花皿模様(どっこはなざらもよう)”も、琥珀織の魅力のひとつ。

たった数台しか世界にないとされるような“超貴重な織機”によって作られている、琥珀織。

生産量が限られているため、希少価値がとても高く、最高級織物のひとつとして、着物の帯などに使用されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

すでに弥生期から絹製の織物が作られていたといわれる、福岡県。

sot(ソット)では、「琥珀織」を使った製品を取り扱っております。

気になった方は、ぜひ各店舗をご利用ください。

リンク:オンラインストア

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