捻とは
革製品の縁部分によく見る薄い線を「捻(ネン)」といいます。
般的には革製品の装飾として入れられることがほとんどですが、それ以外にも革製品の耐久性の向上に大きく役立っています。
今回はそんな捻について詳しくご紹介します。
捻を入れるとどうなる?
見栄えが良くなる
捻を入れる最大の目的に装飾効果があります。
捻引きされた製品はピシッと引き締まった印象になり、高級感があります。
「たかが一本の線で大袈裟な」と思われるかもしれませんが、あるのとないのとでは大違い。
メンズ向けの商品を中心に、高価格帯の革製品にはこの効果を狙って捻引きされた商品をよく見ることができます。
革の屈曲性を上げる
捻を入れることによって、硬い革を曲げやすくすることができます。
財布では二つ折りの中心部分によく見られます。
耐久性が向上する
捻には装飾効果だけでなく、耐久性を向上させる効果もあります。
特に捻引きに使用する道具をアルコールランプや電熱コンロなどで熱して使用する「焼き締め」による効果は絶大で、熱によって革の繊維が引き締まり、コバや縁部分が硬くなることで耐久性が上がります。
このように捻は見た目だけでなく、製品のクオリティにも大きく関わっているのです。
手縫いをする際のガイドラインとしての役割も
捻を直線に薄く引くことによって、手縫いをする際のガイドラインとして使うこともあります。
捻を入れる道具
捻引きをする道具には、フチ捻やネジ捻と呼ばれる道具が使用されます。
どれも一本線を入れる道具に違いはありませんが、製品をどのような印象に仕上げたいかによって使い分けされています。
捻の種類
飾り捻
玉捻
縁部分をぷっくらとさせたものを玉捻といいます。
製品が上品かつ、可愛さもある見た目に仕上げることができます。
一重捻(一本ネン)
捻の中でも一番よくみるタイプです。
細い捻はスタイリッシュなイメージとなり、逆に太くしっかりとした捻を入れるとワイルドなイメージに製品が仕上がります。
二重捻(二本ネン)
二本の線を入れた捻です。
溝捻
捻をしっかりと深く、やや幅広に入れたものを溝捻と言います。
製品の輪郭が明確になる効果があります。
押し捻
縁部分を押しつぶして凹ませて段差を付けたものを押し捻といいます。
ベルトやハンドルによく見られる捻です。
押し捻を入れることによって、製品にボリューム感を出すことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は革製品を知るうえで欠かせない「捻(ネン)」についてお伝えしました。
捻引きされた製品は耐久性に優れ、どれも見栄えが良いのが特徴です。
革製品を見る際には、ぜひ捻の有無や種類にもご注目ください。