普段、お客様とは直接お会いすることがないデザイナー。
一つひとつの製品を生み出すためにあらゆる試行錯誤を繰り返しています。

今回は、sot(ソット)の専属デザイナーである岩根聡巳に話を聞きました。

岩根 聡巳(イワネ サトミ)
1981年1月17日生まれ。埼玉県川口市出身。
sot(ソット)専属デザイナーとして、2002年からあらゆる商品のデザインに携わる。

アパレルのデザイナー見習いから始まった社会人としてのキャリア

普段から革の素材や製品と向き合う岩根氏ですが、実は革製品のデザインはゼロから学んだのだそう。
多様な経験が今に活きているそうです。

新卒で入社してからsotのデザイナーになるまで

–入社当初はどのようなことをされていたのですか?

岩根:quadro(※同社が運営するアパレルブランド)のデザイナー見習いからスタートしました。当時店舗を急激に拡大していた時期にあったアパレルブランドの企画やバイヤーを東海地方で1年間経験した後、東京に戻ってきました。

 

–なるほど。そこからsotが立ち上がるわけですね。

岩根:そうです。でも実は最初は、sotも革製品のブランドではなくてグラフィックTシャツやCD、洋書、アクセサリー、バッグを取り扱うセレクトショップだったんです。

 

–どういった経緯で、革製品特化ブランドになったのですか?

岩根:その中で、自分でデザインしたものを売りたいという気持ちが芽生えてきました。その販売していたときの経験のおかげで、デザインできるようになったとも思っています。

 

1から学んだ、革製品のデザイン

 

–実は岩根は革製品のデザイン経験があったわけではなく、1から学んだそう。

岩根:当時社内にはバッグを企画する担当もいなかったので、バイヤーをしていた時に知り合ったメーカーさんや企画の方に直接学ばせてもらいました。革製品の担当になるまで、革製品と触れる機会がなく、「革」という素材と向き合うことはなかったんです。

 

–革製品と向き合うようになって驚いたことはありますか?

岩根:原皮の種類・なめしの方法・加工の方法・仕上げの方法でこんなにも種類があるのかと驚きました。革は生き物から取られた素材なので、同じように作っても、厚み・シボ・トラ・色合いなどが異なり、裁断する部分にでも全く違う表情を持っています。そこにとにかく戸惑いましたね。

 

–今では革製品が大好きな岩根さんですが、革製品のどういったところに魅了されたのですか?

岩根:革を素材として扱うことになった時に、同じ革でも形はバラバラ、風合いも様々でなんて扱いずらい素材なんだろうと感じましたが、だんだんとそれが革の魅力でもあるんだなと感じるようになりました。”使うほどに馴染み、変化する風合い”、これは他の素材では味わう事が出来ない特徴で面白い部分だなと思います。

 

「あなたにそっと寄り添う製品を」をコンセプトとする、sotのデザイナーとしての使命

現在は、sotの専属デザイナーとしてあらゆる製品を生み出す岩根。
特別な想いを持って、製品のデザインに励んでいます。

sotというブランドを作る、デザイナーの価値観

–最後にsotの製品デザインへのこだわりについて聞いてみました。

岩根:デザインをしてみて気づいたことは、素材としての革製品に限ったことではないですが、バッグ・財布・小物類は道具としての側面も大きく、あらゆる要素に意味があり目的があるということです。つまり、デザインの要素と機能面の要素が合致していないといけないということ。デザインと機能面を両軸で大事にすることは、単純なように思えて難しいことでもあります。

 

–一つひとつの製品に対してたくさん試行錯誤されているんですね。今後、sot(ソット)をどのようなブランドにしていきたいですか?

岩根:自分自身ものづくりをする際に第一に、使用時のストレスを極力少なくすることを念頭に置いて企画をしています。毎日コーヒーを飲むことと同じような感覚で、sotのアイテムを日常的に使い、側にある存在でいられたらいいなと思います。まさにコンセプトにある使用者にそっと寄り添う商品、そしてブランドになれたらそれが一番嬉しいです。

 

–最後に、sotのお客様へ一言お願いします。

岩根:先ほどの通り、sotは実際に使用している方々やお店に来店された方に教えられて育ってきたブランドだと思っています。その感謝の気持ちを、製品を通じて伝えていきたいと思っています。長年継続している定番品もある一方で、いい意味で期待を裏切る、期待を超えたアイテムも発信していきたいと思います。

 

まとめ

革製品とは異なるあらゆる製品のデザインを経験し、sotのデザイナーとなった岩根。
今後は、どんな製品を生み出していくのかがとても楽しみです。

sotでは一緒に働くスタッフを募集しています。興味のある方は、こちらからご連絡ください。

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