「ブライドルレザー」という革をご存知でしょうか?

この革はイギリスで数百年の歴史を持つ伝統的な牛革。

樹木からとれるタンニンに何ヶ月も漬け込み、オイルとワックスを混ぜた仕上げ剤をたっぷりと塗り込んでつくる、乗馬道具(馬具)用の革です。

正確な語源ではないですが、ブライドルという言葉に含まれる「ライド(乗る)」から連想するとわかりやすいかもしれません。

表面に白く浮き上がったロウ分と質実剛健な革質、そして艶やかに変化する表情で、革好きの間ではとっても人気のある革です。

sotがクリスマス限定でリリースしたゴーストレザーも、一見、そんなブライドルレザーに見えるかもしれません。

しかしゴーストレザーは、イタリアで1000年の歴史を持つ製法をベースに、このブライドルレザーをオマージュして生み出された全く別の革なんです。

ブライドルレザーを真似て白いロウを塗っただけの革とは全く異なる、イタリアらしい革になっています。

今回は、そんなゴーストレザーの際立った特徴を、ブライドルレザーとの違いという観点から詳しくご説明していきます。

ご購入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

ゴーストレザー徹底解剖

<目次>
①革質:しっとりと手に馴染むやわらかさ
②仕上げ:深雪のように表面を白く覆う、たっぷりのロウ
③色合い:イタリアの遊び心を映す美しい中間色

革質:しっとりと手に馴染むやわらかさ

まずは革質について。

馬具の革としてつくられたブライドルレザーは、長い時間タンニンに漬け込むことで繊維がギュッと詰まり、非常に硬くハリのある革質。

一方でゴーストレザーは、イタリアで1,000年もの歴史をもつ「バケッタ製法」でつくられる、しっとりと手に馴染むやわらかさのある革質になっています。

バケッタ製法では、まず栗などの樹木からとれるタンニンを大きなドラムで皮に染み込ませていきます。

こうしてなめされた革に今度は、肉牛の副産物としてとれる天然オイル(牛脚油:ぎゅうきゃくゆ)をたっぷりと入れてつくられるのが特徴。

革全体に染み渡った油分によって、表面はしっとりとして手によく馴染んでくれるんです。


※この画像の革、ミネルバボックスや人気のプエブロも同じなめし方でつくられています。

なので、革質の観点で言うと、ハリや硬さのある革がお好きな方はブライドルレザー、やわらかめで手に馴染む革がお好きな方にはゴーストレザーがおすすめです。

このような革質の違いも参考にしてみてください。

仕上げ:深雪のように表面を白く覆う、たっぷりのロウ分

続いては、2つの革のもっとも近い特徴である、表面の白さについて。

この白い表情の秘密は、「グリース」と呼ばれる、革をづくりの最後の工程で使うロウ引き剤にあります。

グリースは、魚脂や牛脂などのオイルと、蜜蝋などのロウ分を混ぜてつくられます。

これを革の表面に塗ることで、革の中の適度な水分を保ちながら、雨や汗などの余分な水分を弾いてくれるようになるんです。

このグリースの中のロウ分が、時間の経過によって固まり、白く浮き上がることで独特な白い表情が生まれます。


※この白く浮き上がったものを「ブルーム」と言います。

実はこれ、自然界の野菜や果物にも見られるんです。

例えば、果物のブドウ。

新鮮なブドウの表面に、なにやら「白い粉のようなもの」が付いているのを見た事がある方も多いのではないでしょうか?

この白い粉もブルームと呼ばれており、農薬ではなく、果実の脂質が由来のロウが表面に出てきたものなんです。

この天然のブルームも、ブドウの大事な水分を中に閉じ込めながら、雨水などの余分な水分を弾いて病気になりにくくする働きをしています。

このような重要な働きをしているブルーム。

革の場合、表面に浮き出てくる量は、その革をつくるタンナーがつかうグリースのレシピによって異なります。

また、同じブライドルレザーでも、つくるタンナーが違ったり、時期が違えば、ブルームが多かったり少なかったり表情に違いが生まれます。

そんな中でゴーストレザーは、どのブライドルレザーと比較しても、このブルームの量が圧倒的に多く、革の表面をすべて覆う深雪のような白さが特徴になっています。

これは、仕上げ剤に含まれるロウ分が多いということ。

つまり、お使いいただくうちにそのロウ(ワックス)が溶けながら広がり、表面がより艶やかに変化していくということです。

最終的にとれていくものにはなりますが、最初の状態がブライドルレザーより白く、そこからの変化が大きい革がお好きな方にはゴーストレザーがおすすめです。

一方、あまり白すぎない方が良いという方はブライドルレザーを選ぶと良いと思います。

ぜひこのような仕上げと表情の違いも参考にしてみてください。

色合い:イタリアの遊び心を映す美しい中間色

そして最後は色合いについて。

手に触れる頻度にはよりますが、使い始めてから半年くらいでどちらの革もロウ分(ブルーム)がとれて、地の色がはっきりと現れてきます。

この色合いにも、2つの革の間で大きな違いがあります。

ブライドルレザーはイギリスの伝統的な革らしく、王道的なネイビーやチョコ、ワインなど、はっきりとした発色の落ち着いた色合いのものが多いのが特徴。

一方、今回セレクトしたゴーストレザーのブルーは、青でも藍でもない中間色のブルーで、イタリアらしい遊び心が感じられる色合いになっています。

初めはその色にロウ分(ブルーム)のホワイトが重なり、淡い水色のような色をしていますが、ブルームがとれていくうちに色が濃く見えるようになっていきます。

また、この革は樹木由来のタンニンでなめされているため、タンニン成分が紫外線や空気と反応して、さらに深い色合いに変化(エイジング)していきます。

※同じくタンニンでなめされているブライドルレザーも、色が変化していきます。

遊び心を感じる中間色の美しいブルーをベースに、そのような何段階もの色の変化を楽しめるのもゴーストレザーの魅力です。


タンニン鞣し革の色の変化例(革はミネルバボックス

結局、色合いについてまとめると、王道的な落ち着いたカラーがお好みの場合はブライドルレザーを、そして、人と違う中間色のカラーがお好みの場合はゴーストレザーを選ぶと良いと思います。

今回ご紹介した3つのポイントを考えながら、ぜひ今年のクリスマスにしか手に入らないゴーストレザーを検討してみてください!

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