「革」と言われて思い浮かぶのは、長く使える耐久性とあの美しい表情の変化ではないでしょうか?
そんな特有の変化を楽しみながら、良い製品を長く使っていきたいと考えた時、一体どんな革を選べば良いのか。
ネットで調べると革の種類がたくさんあって悩む方も多いと思います。
タイトルにも書きましたが、結論を言うと「タンニンでなめされたオイルレザー」がおすすめです。
今回は、その具体的な理由を4つを、詳しくご説明していきます。
理由①ダイナミックに変化する
革の変化には2つの側面があります。
それが「色の変化」と「艶の変化」です。
この2つが同時に進行することで、あのアンティーク感のある表情が浮かび上がってくるんです。
そして、この2つの変化は「タンニンなめし」で作られた革に特有なもの。
そのため、表情の変化を楽しみたい方にとっての革選びにおいては「タンニンなめし」が必要条件になります。
植物成分であるタンニンを生の皮に染み込ませることで、革という素材に変わります。
この時、タンニンでなめされた革は、空気や紫外線と反応しやすくなり、これによって色が徐々に深くなっていきます。
さらに、形を覚えやすい性質を持つようにもなるので、手で触れて摩擦がかかることで、徐々に表面の凹凸が滑らかにならされていきます。
こうして、タンニンなめしの革は、色艶ともに美しく変化していくんです。
そして、なめしの後にオイル(油分)をたっぷりと染み込ませたオイルレザーは、さらに変化が加速します。
というのも、染み込ませたタンニンだけでなく、オイルも空気や紫外線と反応して色が変わっていくからです。
そのため、オイルの少ない革に比べて、より大きな変化を楽しむことができる革に。
この実感しやすい変化の大きさが、オイルレザーをおすすめする理由の1つです。
理由②より長く使える耐久性
革製品はお手入れを怠ると、早々に壊れてしまうこともあります。
その要因の1つには「乾燥」があります。
空気の乾いた冬の季節に保湿をしないと、肌が荒れてしまいますよね。
それと同じように、革は乾燥すると耐久性が下がってしまいます。
十分にオイルを詰め込んでいるオイルレザーは、乾燥による強度低下がほとんどありません。
また、革内部の繊維の間の潤滑剤となるため、引っ張りの力に対しても強くなります。
そんな耐久性がダイナミックな変化を支えてくれるのも、オイルレザーの良いところです。
理由③表面のキズが目立ちにくい
実は、オイルレザーについたキズは、指で強くこすることでほとんど目立たなくなります。
革のキズというのは、表面の擦れた部分が荒れて毛羽立ち、部分的に色が薄く見えることで目立つようになります。
つまり、キズの部分とその周りの色の差がなくなれば、キズは目立たなくなるんです。
オイルレザーは言わば、染み込んだ油分でしっとりと濡れたような状態。
水を含むと洗濯物の色が濃くなるように、オイルレザーも通常の革に比べてワントーン濃い色になります。
つまり、キズがついて薄くなった部分を指でこすり、周りの油分を移動させることで、キズの部分の色が濃くなります。
これによって、周りとの色の差がなくなることで、キズが目立たなくなるんです。
このようなキズが目立ちにくいという特徴も、オイルレザーの扱いやすさにつながっています。
理由④お手入れの手間が少ない
「水と油の関係」
というように、この2つは互いに混ざり合うことはありません。
そのため、油分をたっぷりと含んだオイルレザーは多少の水分を弾いてくれます。
タンニンなめしの革は吸湿性が高いため、雨や水滴が染み込みやすく、シミの原因にもなりやすいもの。
しかし、オイルレザーなら水分自体をある程度弾いてくれることで、汚れにくくなるんです。
また、理由②と③でご説明したように、乾燥に強く、キズも目立ちにくいので、お手入れがとっても楽になります。
なかなか油分が抜け切ることはないので、何年も使い込んで乾燥してこない限りはクリームを塗る必要はありません。
基本的なお手入れとしてはブラッシングがおすすめです。
空気中に舞った砂や埃が革に付着することも乾燥につながってしまうので、これを防ぐお手入れになります。
つまり、1分もかからない全体のブラッシングのみで、オイルレザーのお手入れは終了するということです。
このように、オイルレザーには革好きの方にとって良い所がたくさんあるので、革製品を選ぶ際にはぜひ検討してみてください。
※最後に、sotで取扱いのあるおすすめのオイルレザーを3つご紹介します。
ぜひ1度ご覧になってみてください。
① プエブロ / イタリア
【まるで和紙。革好きの心を掴んで離さない、触れるほど自然に育つ革「プエブロレザー」】
②ミネルバボックス / イタリア
【なぜミネルバボックスはふっくら柔らかいのに丈夫で、触れているだけで劇的に変化していくのか。その本当の理由とは?】
③エレガンザ / 日本
【しっとりと艶めく大人の色合い。持つ人を上品に引き立てる革「エレガンザレザー」】
《おすすめ記事》
【お手入れの手間を減らしたい面倒くさがりな方へ。大事な革製品をダメにしてしまう前に、革職人がおすすめする2つのタイプの革をご紹介します。】