革のお店で見かける国産の牛革。
実は、革になる前の原皮そのものは、ほとんどが海外から輸入されていることをご存じですか?
輸入の比率はなんと、85%以上だそう。
今回は、その残り約15%の中のキメ細かい国産皮を、ふっくら軽やかに仕立てたオリジナルの純国産レザー「LUKE(ルーク)」のご紹介です。
バックパックやトートバッグなど、大きな製品に採用しているルーク。
革本来の表情とその変化を存分に楽しめるこの革が、踏み出す日々の一歩を驚くほど軽やかにしてくれます。
特級クラスの国産牛皮に、ミモザの天然成分を染み込ませることで生まれる効果とは?
あなたが普段食べている国産の牛肉。
その副産物である「皮」は、タンナー(https://sot-web.com/column/tanner/)と呼ばれる職人たちの手で、廃棄されるはずだったものから「革」という魅力的な素材に生まれ変わります。
ルークは、北陸や近畿、九州などのエリアから集められる皮の中から特級クラスのものを厳選し、革にしています。
この時に必要不可欠なのが、ミモザなどの樹木からとれる天然成分「タンニン」。
身近な所では、お茶やコーヒー、ワインなどを口にしたときに感じる「渋み」もタンニンによるものです。
皮にタンニンを染み込ませる(皮を鞣す:なめす)ことで、皮の繊維とタンニンが反応して結合していきます。
これによって、生の「皮」が、腐ることのない丈夫な「革」へと変化。
そして、染み込んだタンニンの働きによって、革には大きく2つの変化が生まれます。
1つは色合いの変化。
タンニンは空気や紫外線に触れることで、徐々に色が深く変化していきます。
例えば、木の幹を考えてみましょう。
外側の樹皮はこげ茶色でも、スパッと輪切りにして断面を見てみると、内側はきれいなベージュ色をしていますよね。
これは、タンニンを含む木という植物が、常に紫外線や空気にさらされているからです。
これと同じように、タンニンと結びついた革も、使い込むうちに色の深さを増していきます。
(上:新品 下:約10ヶ月使用 革:ミネルバボックス/キャメル)
(https://sot-web.com/c/all/material/minervabox/so-z-0146)
そして、もう1つはツヤの変化です。
タンニンと結びついた革は、「変形したときに、その形を維持する性質(可塑性)」が強くなります。
「変形した時にゴムのように元の形に戻る性質」、いわゆる「弾性」の反対の性質ですね。
この性質が強い革は、手で触れたり、布で乾拭きしたり、平らにしようとする力が加わるたび、毛穴などの細かな凹凸が少しずつならされていきます。
ザラっとしたコンクリートより、ツルっとした大理石の方が光を反射しますよね。
それと同じで、革も表面がなめらかになればなるほどツヤっと光沢を帯びていくんです。
このようなタンニンの2つの性質によって、使い込むうちに深まっていく革らしい色合いとツヤを、存分にお楽しみいただけます。
(左:新品 右:約1年使用 革:ルーク/ブラック)
素材本来の表情を引き出したナチュラルな革。そのふっくらとした軽やかさのワケ。
革にしっかりとタンニンを入れた後は、ルークの軽さの要因の1つでもある「染色」に入ります。
ここで使うのは、顔料ではなく染料。
染料で染めた革は、水分を吸いやすいというデメリットはありますが、革に色が染み込んでいるため、奥行きのある色合いに仕上がります。
また、顔料のように表面を覆い隠すことがないので、革の表情をダイレクトに感じられるのも良いところ。
さらにこの時、あえて染料を芯まで浸透させていません。
深い傷がついたときにはクリームで補色していただく必要はありますが、これには利点があります。
それは、長くお使いいただくための耐久性です。
革を染める時には、バスケットゴール程の高さのある大きなドラムの中で、革を回転させながら染料を叩き込んでいきます。
芯まで染めないことで、その時間が3分の1ほどになります。
そのため、繊維がほぐれすぎることがなく、丈夫さを保つことができるんです。
曲げ伸ばしの大きな負荷がかかる革靴などに、芯まで染めていない革が使われることが多いのも、それが理由です。
ルークはバックパックやトートバッグなど、物をたくさん入れる製品に使う革。
そのため、革の本格的な経年変化を楽しみながら、より長くお使いいただけるよう、染めの工程においても丈夫さを意識して革を仕立てています。
そして、染色とともに重要なのが、革の風合いや柔らかさを左右するオイル入れです。
ルークをつくるときには、このオイルも工夫しています。
トートバッグやバックパックは、入れるものが多い分、必然的に重くなってしまうもの。
でも、普段の生活で長時間持ち歩くものは、できるだけ軽くしたいですよね。
そこでルークには、長時間持ち歩いても疲れにくい軽さを実現するために、比重の軽いオイルを使用。
さらに、オイルよりも軽いワックスを組み合わせて革を保湿することで、軽さとふっくらとした柔らかさのある革に仕立てているんです。
そしてオイルをたっぷりと入れた後は、仕上げにドラムで軽く革をほぐし、ナチュラルなシボ感を立たせたら完成。
革らしい表情の、ふっくらと軽い革に仕上がります。
そんな軽さとナチュラルな表情が、日々の足取りを軽やかにしてくれるルーク。
その色ツヤを増していく姿を、あなたも楽しんでみませんか?
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