藍染めって具体的には何が優れているの?

ただの濃い青じゃないの?

そう思う人もいるかもしれません。

今回は、徳島県産のタデアイを使って藍染したsotの限定レザーが普通の青い革と一体何が違うのか。

他の革では味わうことができない3つの魅力を具体的にご紹介していきます。

徳島の天然素材が生み出す「藍色」と「紺色」の決定的な違い

青という色は、人をリラックスさせ、創造性を高めてくれることがわかっています。

日本の伝統的な青色である「藍」は、ジャパンブルーと呼ばれ、古くから私たちの身近にある色。

そんな日本の藍色は、タデアイという普通の緑色をした植物を使って生み出されています。

この植物が持つ透明な物質が、最終的に空気と反応することでインディゴと呼ばれる青い色素に変わっていきます。

この反応を利用して藍色に染めるのが伝統的な藍染め。

現在では、化学的に作られた安価な合成インディゴが主流になっており、ジーンズの染色にもよく使われています。

そして実は、天然インディゴと合成インディゴは全く同じ物質。

それでは、タデアイを使って染める天然の藍染めをする意味はどこにあるのでしょうか。

その1つは、伝統的な藍染めが持つ「色の奥行き」です。

より具体的に言えば、その工程の中で使われる様々な天然素材が持つ「不純物」が、藍色に深い奥行きを与えてくれるんです。

「単純な深い青」ではなく、どこか緑や赤を奥に感じるような独特な藍色こそが魅力の1つです。

日本には、なんと約50種類もの「藍」由来の青色があります。

浅葱(あさぎ)、縹(はなだ)、留紺(とめこん)。

私たちは、その微妙な青色の濃度やニュアンスを繊細に感じ取り、それぞれに名前をつけてきました。

藍が生み出す色には、それぞれに感性に訴えかけるような魅力があります。

そんな複雑な藍色の奥行きに、ぜひ目を向けてみてください。

千年の歴史を持つ染めで表現する藍のグラデーションと、その唯一性の秘密

寄せては返す海の波や、太陽に枝を伸ばす木々の形。

風で舞い上がった葉っぱを手に取って見れば、その模様は一枚一枚違っています。

そんな自然がつくる不均一さには、感性で感じる美しさがあります。

今回の限定品で日本の伝統技法で革に表現されているのは、ゆらゆらと流れるような濃淡の模様。

これは、日本で1,000年を超える歴史を持つ染色技法「絞り染め」によってつくられています。

絞り染めではまず、ぎゅっと絞るようにして革を縛りつけます。

そして、そのままの状態でゆっくりと藍の染め液に沈めていきます。

染め液が浸透するのを待ったら、そっと取り出し、表面が藍に色付くのを待ちます。

最後に縛った部分を解くことで、革同士が強く密着して「色が全く入らない部分」、「少しだけ色が入る部分」、「しっかりと色が入る部分」と、染まり方に濃淡が生まれるんです。

これが絞り染め。

この染めでは、1つとして同じ模様に仕上げることはできません。

日本で古くから行われている「型染め」等が緻密で均一な綺麗さを持っているのに対して、絞り染めは波や木々のような自然的で素朴な雰囲気を持っています。

その繊細な濃淡は、一度に大量に染めるのではなく、一枚一枚ゆっくりと時間をかけて手染めすることでしか表現できない模様。

さらに製品にする際には、絞り染めされた大きな一枚の革から、小さなパーツを切り出していきます。

そのため、不均一な模様のどの部分が切り取られて製品になるかは一点一点異なります。

そんな一点ものの模様を選ぶ楽しさも、今回の限定レザーの魅力の1つです。

店頭で在庫があれば比べていただけるので、ぜひ好きな模様を見つけてお楽しみください。

江戸時代の人々が傷口の処置に藍を使った理由と、現代における嬉しいメリット

「蓼食う虫も好き好き」

ということわざを一度は聞いたことがあると思います。

これは蓼(たで)のような苦味のある植物を好んで食べる虫がいるように、人の好みはそれぞれであることを言った表現。

ここで出てくる蓼(たで)の一種が、日本の藍染で使われる蓼藍(たであい)です。

蓼をはじめとした多くの植物は、敵に攻撃されたときに苦味や渋味を感じさせることで、自分の身を守っているとも言われています。

つまり、植物がもつ防衛作用として苦味や渋味の成分を持っているんです。

この防衛作用は、自分より大きな敵だけでなく、自分より小さな敵にも働きます。

より具体的には「菌」。

菌に対する防衛作用とは、簡単に言うと「抗菌性」です。

抗菌性を持っていることで、病気になりにくくなり、種として長く生き延びることができるからです。

実は、藍自体だけでなく、藍を使って染めたものにも抗菌性があることがわかっています。

藍染めが日常的だった時代には、傷口の悪化を防ぐためにも使われていたそう。

革製品というのは頻繁に手に触れるものです。

特に今の時代においては、この天然の抗菌性によって、毎日安心して清潔に使うことができるというのが藍染レザーの良いところです。

このように、特有の魅力がいくつもある限定ウォレットは今年2022年にしか手に入りません。

機会がございましたらぜひ1度ご覧になってみてくださいね。

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