革は鞣しの工程のひとつである加工によって、その見た目を大きく変化させることができます。
革がどのような加工によって作られているかを知れば、ケアの方法や使用するうえで気を付けるべき点も明確になります。
今回は、そんな加工の主な種類と特徴をご説明します。
なぜ加工をするのか?
ご存知のように世の中には様々な見た目の革が存在しています。
どれも元々は動物の皮から作られていますが、革に見た目の独自性を持たせるのがこの加工をする最大の理由になります。
時代のトレンドに合わせて現在も新しい加工の研究開発が行われており、日々新たな見た目を持った革製品が世界中で生まれています。
加工を終えた革は鞣しの最終工程である仕上げを施すことによって、より耐久性のある丈夫な革に仕上がっています。
加工の種類と特徴
銀付き加工
動物皮の銀面(表面)の特徴を生かした革で、最も一般的な加工となります。
銀付き革は、本来革が持つトラなどの模様が際立った自然な見た目と質感を味うことができます。
しかしながら、コーティング力がやや弱いため、水分などには十分に注意が必要となります。
いずれにしても銀付き革は丈夫で美しく、通気性にも優れているために人気の加工となります。
銀磨り加工
サンドペーパーで銀面を削るバフィング加工を施したもの。
天然の傷がバフィングによって目立たなくなる効果があります。
ガラス張り加工
クロム鞣しをした成牛の革を琺瑯板に張り付けて乾燥させ、革を叩いてバフィングした後、顔料と合成樹脂を革の表面に塗る加工です。
傷が多い革を綺麗に見せる画期的な方法として発明され、かつては琺瑯板ではなくガラス板に革を張り付けていたため、ガラス張り加工と呼ばれます。
安価でカラフルな色の革を作ることができ、防水性も高いという特徴がありますが、表面が均一で革としての味わいはほぼありません。
やや硬めに丈夫な仕上がりになるのが特徴で、主に靴の革に施されています。
ケアも比較的簡単ですが、傷がつきやすく、通気性や伸縮性も悪いという欠点もあります。
起毛加工
革の表面や裏面を起毛させる加工。
代表的なものにはスエード・ベロア・ベルベットなどがあり、主に衣料品によく見られます。
いずれも毛足が短く細いものほど良質とされ、価格も上昇します。
革の銀面を漉いて残った革を起毛させてベロア調にしたものは、床ベロア加工といいます。
パンチング加工
円形や三角形、四角形などの連続穴をあけた加工です。
保温性が低下するものの、柔らかく軽量になります。
穴の形によって軽量化の具合が変わるものの、約20%程度軽くなるといわれています。
ウォッシュ加工
革を揉んで表面にシボをつける加工。
揉み方によってシボのつき方が変わり、揉み方には水揉み・角揉み・八法揉みなどがあります。
シュリンク加工
特別な薬品を加えて銀面を収縮させてシボを生み出す加工。
ウォッシュ加工よりもシボが強調され、大きさにも統一感があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
革の見た目はこの加工によって決められているといっても過言ではありません。
好きな革がどのように加工されているかを知れば、革製品を使うのがより楽しくなること間違いなし。
sot(ソット)では、様々な加工を施した革製品を豊富に取り揃えておりますので、ぜひ各店舗にて見比べてみてください。